eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)の「昨日の政府交渉(地震動・火山灰・避難他)の簡単な報告」
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昨日の政府交渉(地震動・火山灰・避難他)の簡単な報告
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2016年11月30日 10:52
昨日行われた政府交渉の簡単なご報告です。参加者は50名でした。多岐にわた
る交渉にご参加いただいたみなさん、お疲れ様でした。美浜の会の小山さん、島
田さんからいただいたメモを参考にさせていただきました。誤認等あればお知ら
せください。

◆福島第二3号機のプール冷却停止について

・規制庁は、22日の地震当日に東電から聞き取りをしたとして、漏れた個所は
10か所だが場所は確認していない、3号機プールからの漏れは4m3=400
0リットル、漏えい水の放射能濃度は基準以下、地震の揺れで、プール水面7セ
ンチのところにあるダクトに水が流出、その後サージタンク水位低下で、10分
後に設定値になり警報・ポンプの空回りを防ぐために設定された値を超えたため、
自動的に停止した、などと説明しました。

・4000リットルが、報道での485リットルの10倍と異なるため、問い質
したところ、地震の揺れであふれた4000リットルが、7センチ上のダクトに
入った、ダクトから漏えいして確認されたのが485リットルであったと説明し
ました。4000リットルの漏えいははじめて聞きました。

・これが想定内のことなのかと聞くと、基準ではプールの温度が65度を下回れ
ばよいというだけで答えませんでした。しかし、7センチ上のダクトから水が出
てしまうというのは構造的な問題があるのではないでしょうか。

・ポンプについては、2台のポンプは1か月交代で使うことになっており、Aポ
ンプが1か月に近づいていたのでBポンプを起動した、Aポンプは壊れていない、
漏れなどが見つかっていないとの回答でした。

・東電は当初、水面の揺れにより水位低下と検知されたと誤った説明をしており、
田中委員長が国会でそれをそのまま発言しました。これについては、どのように
発言したかは知らないと述べました。

◆火山灰再評価

・火山灰濃度評価で観測地点の火山灰層厚の違いを考慮すべきではないかという
問いに対しては、火山灰が降る時間にもよるので影響を考慮することは難しいと
の回答でしたが、影響することは認めました。

・富士宝永噴火の観測値の取り扱いですが、電中研レポートがある条件で求めた
ある研究の成果であることは認めました。設備対応が必要になる可能性も否定は
しませんでしたが、現状で新知見が出て火山噴火があった場合に対応できない可
能性が出てきたことから、バックフィットの対象として原発を止めてから検討す
べきではないかと質すと、バックフィットの対象にするのかどうか検討が必要だ
し、バックフィットを決めてからも実施の前に手続きがいると。すかさず鹿児島
から、川内原発はすぐに止めないと危ないではないか、と訴えがありました。

◆くり返しの揺れに対する耐震性

・熊本地震のようにくり返し強い揺れが原発を襲う可能性が、金属疲労の影響評
価で反映されていない点について、美浜3号の配管を例に問い質しました。現状
の耐震評価では、疲労の影響評価等で余震の影響は考慮されていないことを改め
て確認しました。

・規制庁は、冷温停止まで1~2日しかからない、地震後に点検と再評価を行う
のでよいと説明しましたが、1~2日のうちに強い余震が発生したらどうするの
かと聞くと言葉を失い、基準地震動を余裕をもって決めていると言うだけでした。
基準地震動の策定はまた別問題です。結局、疲労の影響評価で余震を考慮しない
理由をあげることはできませんでした。原発の耐震評価は熊本地震の教訓をくん
でいないことになります。

◆地震動問題

・武村式と壇他の式または片岡他の式を組み合わせて計算すると、質問事項の
(注釈)で示したとおりになることは認めました。壇他の式では必ずアスペリテ
ィ面積が増加して断層面積を超える傾向をもつので、そのような式を使うことは
とにかくやめるべきだと主張しましたが、規制庁は、片岡式はレシピに組まれて
いないし、そのような式があるというだけではだめで、全体的な評価がどうなる
かが問題で、その検討はこれからだというのが回答しました。

・アスペリティ面積以外に何か問題があるのかと聞くと、応力降下量と言ったの
で、アスペリティ応力降下量かと聞くと、応力降下量と両方だと。何も問題は起
こらないと反論すると、それは計算で確かめたのかと逆質問、そのとおりだとい
うとそれ以上は何も言いませんでした。

・いったいいつになったら検討が終わるのか、たとえば福井地震のような地震が
実際に起これば、それは武村式のような起こり方になるのだから、未熟だから放
置してよいことにならないではないかというと、福井地震は断層長さの評価とか
いろいろ問題があるなどと言いだす始末です。

・入倉・三宅式では過小評価になることを規制庁は7月27日付資料で認めてい
ると書いたことに対しては、そのような意味では書いていないと否定。しかし、
これはどう読んでもその意味でしかとれないと反論しました。

・壇他と片岡他での計算値の違いは認めながら、全体的な検討が必要だと逃げま
した。今にも福井地震のような地震が起こる可能性があるのにという点について
は答えませんでした。福井地震のデータ・評価について再質問する必要がありま
す。 

◆電気ケーブル

・焦点は絶縁低下に関する具体的な規格基準は存在しないことの確認にありまし
た。配管では材質・直径・厚みなどに応じて必要最小肉厚が法的に定められてい
るが、そのような具体的な規格は電気ケーブルの場合は存在しないと認めました。

◆避難計画

・規制委は、ヨウ素剤服用は、規制委が判断する、服用指示の具体的基準はない
と回答しました。前回は専門家が会合を開いて判断すると説明していましたが、
規制委と変えて返答しました。

・国の防災会議の文書(原子力災害対策マニュアル)には、指針の「規制委が服
用の必要を判断」するという文言がなく、避難・一時移転時に服用を指示するよ
うになっている件について、「基本は同じと読む」と回答しました。「同じと読
む」根拠がどこに書かれているかはすぐには分からないと述べました。

・要援護者の避難については、時間がかかるため早期避難となっている現在の指
針の基本原則は引き継ぐ、指針の見直しは、まず緊急事態区分(EAL)の見直
しから始めることになるだろう(今週水曜の規制委の議題にあがっている)と回
答しました。

・スクリーニング場所が一方通行になっている問題は、「一方通行」が一概に悪
いというより、汚染の拡散を防ぐために、各自治体にも働きかける(これから)。
また、若い女性職員を誘導係などに参加させないことは、9月30日の文書回答
の2日程前に、福井県・京都府・関西広域連合等に電話で既に指示していると回
答がありました。どの担当部署の誰に連絡したかは後程伝えてもらうことになり
ました。

・佐賀の防災訓練で使われた、コロコロを使った車両の除染方法については、問
題はないとしながら、コロコロとブラシでタイヤ除染する、水を使えないときも
ある、除染できているかは不確実性はあるとし、その効果については検証も何も
していませんでした。。

・熊本地震を踏まえた屋内退避については、困難についての検討は、「規制庁で
検討した」というだけで、どのような検討をしたかは明らかにしませんでした。
また、滋賀県知事からの要請については、UPZ内外で屋内退避か避難と一般的
に答えるのみでした。

・事故時の被害想定については、規制委の指針は、福島原発事故と同等程度の事
故でも避難できることを基本にしている。放射能の放出量も福島原発事故と同程
度にと回答。しかし、実際には放出率は福島事故時の1000の1以下にして自
治体に説明しています。

阪上 武(原子力規制を監視する市民の会)

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