廃炉積立金制度法案:閣議決定
【閲覧数】7,352
2017年02月08日 13:02
|
2月7日、いよいよ原子力損害賠償・廃炉等支援機構法の改正案の閣議決定がされました。
東電の廃炉・事故処理費用を支援機構内に積み立てるという制度です。原資は、送配電事業の利益から積み立てるというものです(原資の捻出については、今回の法案対象ではありません)。 http://www.meti.go.jp/press/2016/02/20170207001/201…07001.html 昨年12月20日の「基本指針」に基づく支援機構法の改正です。 この法改正は ① 東電の損害賠償費用及び損害損失(廃炉・事故処理)費用の「救済」とその「国民負担の制度化」をするものです。これは2020年の「総括原価方式」廃止に向けたものであり、東電の損害賠償費用だけでなく、東電の事故処理費用も国民負担にしようとするものです。 ② 支援機構法は、損害賠償のためのものでした。交付金は損害賠償以外には使えない規程でした。13年に支援機構法に「廃炉等」が入り、事故処理費用の資産計上や交付金を除染費用等に使っています。 ③ さらに東電の事故処理費用も国民に負担させるということです。同じ損失であっても損害賠償損失と事故処理損失は違います。損害賠償費用負担は、被害者救済の意味合いがあるので損害賠償交付金という税金で国民が全額負担しています。 しかし、除染費用にしても、まして廃炉・事故処理費用は別です。加害者である東電の自己責任であり、被害者でもある国民が東電の事故処理費用まで負担する理由はありません。事故責任は、東電にあり国民にはないからです。これは福島復興ではありません。東電の救済です。原子力関連事業の救済です。 東電の役員、社員、金融機関、メーカー、ゼネコンなど関連会社は全く負担をしていません。国民が負担する必要はありません。 ④ 損害賠償金は、損害賠償交付金により救済する。その資金回収は、支援機構「負担金」により「総括原価方式」(電気料金)で回収しています。 「総括原価方式」廃止となれば、「託送料金」で回収するというのが「基本指針」です。 これは法案改正は必要なく、電気事業法の会計規則、託送料金規程などの省令改正で済みますから国会の審議はいりません。 ⑤ 事故処理費用も託送料金による回収を画策しましたが拒まれ、送配電事業の利益で回収することにしたのです。8兆円という事故処理費用を引当れば、東電は一発で債務超過になります。そこで再処理積立金、再処理拠出金同様に処理計画で年度ごとに精算することにしたのです。 ⑥ また、支援機構内で処理するので、交付金あるいは支援金で救済も可能となります。 以上、取り敢えず簡単にまとめました。国会で昨年12月20日の「基本指針」も含めて粉砕しましょう。 |
返信書き込みはありません。 |