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いわき震災通信【第27号】
【閲覧数】918
2011年11月24日 14:16
【11月24 日号】

皆様、

一昨日会津の喜多方市まで磐越道を走りました。

磐梯熱海のインターチェンジを過ぎる頃から、周囲の山肌には雪化粧が施されました。

磐梯山や飯豊連峰の山々の美しさは裾野の紅葉と相俟って息を飲むほどでした。

美しくそして厳しい会津の冬の到来です。

会津に避難しておられる方々にとって、少しでも過ごし易い冬であるといいのですが…。



先日、スウェーデンのドキュメンタリー映像作家の女性がフクシマを映像に収めたいと、いわきにやってきました。

友人がその案内役を買って出ていたことから、小名浜で漁業関係者から話を聞きたいという彼女の要望を聞いて、私が間を取り持つことになりました。

間に更に人を介して、小名浜と中ノ作という二つの漁港区の水産加工組合長さんたちが話をしてくださることになりました。

午前10時30分。小名浜漁港の魚市場の集合地に出向くと、彼女は既に若い女性や通訳たちと共にカメラをセッティングしようとしていました。

穏やかな海、うす曇の柔らかな日差し、カモメたちの群れ飛ぶ姿。

津波の後、何艘もの船が乗り上げていた岸壁は一部を除いて綺麗に片付けられ、震災当日ここで起きたことが嘘のようでした。

魚市場の一角では秋刀魚の水揚げがあったらしく、手際よく箱詰め作業をする数人の姿がありました。

「秋刀魚船が入ったんだ」…ホットしたような気持ちで、その手際よい作業風景を眺めていると、組合長さんたちがやってきました。

「どんな趣旨で、どういうインタビューを撮りに来たのか、事務所でまず話を聞かなければインタビューには答えられない。」開口一番、厳しい口調で組合長さんが言いました。

「時間が限られているから、事務所への移動はしたくない。スグにでもカメラを廻したい」そう主張する彼女との間で暫く押し問答があった後、市場の2階にある事務所へと移動することになりました。

「大津波の映像は本国で既に何度も見てきた。この港で起きたことを、ありのままの姿を伝えたいと思う」彼女の説明に、組合長さんは切り返します。

「ありのままと言っても、インタビューをする側の主張が、出来上がりを決めてしまう。あなたがどんな主張を持って作品にするのか確認したい」

頑なな表情で話す組合長さんが、何度かのやり取りの中で話し始めました。

「自分たちがカメラの前で色々話しても、原発反対という主張だけが伝えられてしまったことが何度もあった。死んだ海だとか、ここの海はもうだめだとか、そんな風に伝えられたくない」

「自分たちは東電に放射能汚染水を排水しないよう要望書も出しているし、漁民への補償についてもきちんと動いている。今日秋刀魚船が1艘入港しているが、福島県の太平洋沿岸で水揚げをしているのはこの小名浜港だけだ。近海物は出漁禁止になっているので、北海道沖の秋刀魚を水揚げし、ベクレルチェックも行なっている。それでも、地元のスーパーマーケットは買い入れてくれない。自分たちは出来るだけのことをして安全を確認して出しているのに、だめだというイメージだけで決められてしまう」

何度となく繰り返された「死んだ海だとか、ここの海はもうだめだとか、そんな風に伝えられたくない」という言葉。

それが組合長さんの強い思いでした。

この言葉を彼女が受け止め、カメラがやっと回り始めました。

正確に組合長さんたちのメッセージを伝える映像として出来上がってくれることを、願わずにはいられません。



吉田恵美子

特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長

事務局 〒971-8101 福島県いわき市小名浜字本町11-1 まちづくりステーション小名浜内

TEL・FAX 0246-52-2511

携帯 090-2881−3107

URL:http://www.iwaki-j.com/people/

いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長

事務所 〒971-8164 福島県いわき市小名浜寺廻町1−10 

TEL/ FAX 0246-92-4298

http://onahama-volunteer.jimdo.com/



※ このメールはこれまで名刺の交換をさせていただいた方々にいわきの現状を知っていただきたく送らせて頂いております。

  ご不要の方はその旨お知らせ頂ければ配信を停めさせていただきます。

もし差し障りがなければお付き合いいただければと思います。

  尚、これまでの通信はザ・ピープルホームページ上にアップしております。

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