いわき震災通信【第28号】
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2011年12月12日 12:50
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【12月11日号】
皆様、 震災から9ヶ月が過ぎました。 昨日はJICAの二本松訓練所で開催されていた「ふくしまグローバルセミナー」(主催:福島県国際理解教育ネットワーク)の中で講演させて頂くため、この冬初めてスタッドレスタイヤ装着車で早朝から出掛けてきました。 冬場、雪の降ることの稀ないわき市の住民にとって、雪道の走行にはどうしても気後れしてしまいます。 常磐道・磐越道・東北道と乗り継いでの走行中は、路肩に僅かに雪が残る程度で、安心して車を走らせることができました。 しかし、JICA訓練所がある安達太良山の山腹目指して上り始めた頃から路面は白く変わり始め、建物まで残り数10メートルでは、薄い圧雪の上を走ることになりました。アクセルを踏む度にハンドルを取られるのでは、といった緊張感が過ぎりました。 会津や中通りにお住まいの方々には笑われてしまいそうな話ですが、同じ福島県内でありながら、浜通りに住む者にとって雪道の走行は特別な体験に近いものがあります。 ましてやこの冬を初めて会津で迎える双葉郡各町村からの避難者の方々にとって、雪道がどれほど気持ちを重く暗くすることかと慮るばかりです。 グローバルセミナーは、県内で国際理解や国際協力などの活動に関心を寄せる方々に向けて開催される研修会です。 JICAの青年海外協力隊員たちのための研修施設を会場としてのセミナーに、これまでも何回か参加者と分科会講師の両方の立場で参加させて頂きました。 次に派遣となる協力隊員たちが任地に向けた訓練を先日終えたばかりの施設には、彼らの意気込みと熱気がまだそこここに残っているようでした。 今回、私はセミナーの全体会で「震災を通して見えてきたもの 支援する側とされる側」と題して、これまでの本会が行ってきた海外支援事業(タイの山岳民族に対する教育支援・生活支援)での体験と今回の東日本大震災後の体験を通して感じてきた、支援する側とされる側の意識のずれ、受け止め方の違いなどについて話させて頂きました。 今回の震災の中で、自分たち自身が支援を受ける立場に立ったことで見えたもの、被災者に近い立場での支援者となったことで改めて感じたことを伝えたいと思ったのでした。 「勝手な思い込みの押し売りになっていないか? 時期や必要性を捉えた支援になっているか? 支援対象者の生活の自立に向けた動きを阻害していないか? 支援の中断・継続の見極めがなされているか?・・・。」 自分たち自身が思い悩みながら歩んできた事柄ばかりです。 聴講して下さった方々に少しでも伝えられたらいいのですが。 いわきの将来を考えた時に、考えなければならない大きな課題の一つにエネルギーの転換があります。 裏側に潜む危険性に眼を瞑り、原子力発電の便利さを黙って享受し続けてきた私たち世代が、子供や孫の世代に向けて果たさなければならない責務として、原子力発電に依存しない社会をつくり出す動きをスタートしなければならないと考えています。 そして、その最初の一歩を踏み出すのは、世界中のどこでもない、フクシマで、いわきであるべきだと考えます。(…既に遅れをとっているように思わないでもありませんが) 先日、首都圏から復興支援への高い志を持っていわきを訪問して下さった女性エキスパートの方たちと、車座になってディスカッション(結結プロジェクト 主催:認定NPO法人女子教育奨励会) を行った際にも、参加者の多くから異口同音にそうした思いが語られていました。 そのディスカッションを受けて、仲間たちと「福島で未来のエネルギーを考える会」を立ち上げました。 そして、明日12日には、消費電力をグリーンエネルギー100%で賄っているスウェーデンのマルメ市での事例を聞く集まりが、いわきアリオスの小劇場で昼夜2回(1回目:13:30〜15:20 2回目:18:00〜19:50 講師:One World国際環境ビジネスネットワーク ペオ・エクベリ氏ほか 参加費:999円 主催:お茶芽糸クラブ歩歩)催されることになっています。 仲間たちと共に参加し、新しい情報を吸収して来ることにしています。 いわきにお住まいの方、ご一緒に参加してみませんか? 近い将来、このいわきの中で、普通の市民が普通の感覚としてエネルギーの転換に取り組む日が来ることを心から願う仲間として…。 吉田恵美子 特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長 事務局 〒971-8101 福島県いわき市小名浜字本町11-1 まちづくりステーション小名浜内 TEL・FAX 0246-52-2511 携帯 090-2881−3107 URL:http://www.iwaki-j.com/people/ いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長 事務所 〒971-8164 福島県いわき市小名浜寺廻町1−10 TEL/ FAX 0246-92-4298 http://onahama-volunteer.jimdo.com/ |
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