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いわき震災通信【第37号】
【閲覧数】908
2012年04月30日 07:50
【4月29日号】



皆様、

今朝、目覚めると気持ちの良い青空、初夏を予感させる青空が広がっています。

街路樹のハナミズキには薄紅色の花が咲き揃いました。



今日は、「いわきオーガニックコットンプロジェクト」として初めての農作業があります。

その為にと、昨日のうちに首都圏からのボランティアバス、「天ぷらバス」(天ぷら油から再生されたBDFで走るバス)が25名の参加者を乗せてやって来てくれています。

作業場所はいわき市遠野町為朝(ためとも)集落。

源為朝に由来する名前を持つその集落は、わずか13戸。

そのほとんどが折笠姓を名乗ります。

いわき市の中山間地に位置し、昨年の3月11日の大震災では大きな被害がなかったものの、その後に起きた4月11日の直下型地震により断層が大きく動き、集落の簡易水道に流れ込む水脈が枯渇してしまいました。

そのため、水道の通っている地域からタンクで水を運ぶという作業を今なお続けています。

この集落を支える若い働き手の折笠明憲君たちが私たちのコットンプロジェクトに参画し、2反ほどの農地での栽培を計画しているのです。

地蒔きにはまだ少し早い今日は、ポット蒔きと栽培予定地での準備を皆で行なう予定になっています。

沢山の人の手で蒔かれた種が、この集落で希望の芽を出してくれる日はそう遠くないと感じられる、そんな朝です。



これに先立って、4月24日には、『はじめの1歩!コットン栽培地発表と栽培手順説明会』という集まりを行いました。

これまで3回行ってきた学習会や栽培地の視察研修を通して作り上げた統一栽培手順を、皆で共有しようという説明会です。

この手順は、小諸エコヴィレッジの切本幸男さんの指導を頂きながら、市内で園芸関係の仕事をしている芦沢久美子さんが纏め上げてくださいました。

30名ほどの参加者は、芦沢さんの「オーガニックコットンなので虫が出ても農薬を使わず、こまめに取り除き木酢液を散布するなどして対応してください」といった言葉を、熱心にメモしていました。(中にはどうしても自分たちの考えた手順での栽培を主張して譲らないグループもありましたが、そのこだわりも情熱の裏返しと、オーガニックであることさえ外れなければ、呑み込むことにしました。)

今年度栽培地の提供をいただいたのは市内10箇所ほど。

中山間地や市の北端に位置する大久町の農地などです。

中には久之浜町の小学校や中学校でのプランターでの栽培もあります。

そして、説明会に顔を見せた方々も、農家の方や双葉郡から避難して来られている方、被災地の復興のために活動している市内の若者グループ、首都圏からのボランティアグループの代表者などさまざまです。

これまで顔を合わせたこともない人々がこのプロジェクトでつながり、交流を生んでいく。

何にも代えがたいこのプロジェクトの目的がここにあると実感できる集まりでした。

「29日の農作業にはまた顔を合わせましょう」と約束して散会となりました。



オーガニックでの栽培は決して容易ではないといわれています。

しかし、いわきの農業を取り巻く環境の厳しさに比べたら、このチャレンジの前に立ちはだかる障害などたかが知れているという気がします。

そして、今日の青空はきっと上手くいくと予感させてくれています。



吉田恵美子

特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長

事務局 〒971-8101 福島県いわき市小名浜蛭川南5番地の6

TEL・FAX 0246-52-2511(ファックスは10日過ぎまで一時的に不通になります。0246-92-4298へ送信下さい。)

携帯 090-2881−3107

URL:http://www.iwaki-j.com/people/

いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長

事務所 〒971-8164 福島県いわき市小名浜寺廻町1−10 

TEL/ FAX 0246-92-4298

http://onahama-volunteer.jimdo.com/

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