いわき震災通信【第39号】
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2012年05月25日 21:21
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【5月25日号】
皆様、 なんと寒暖の差の大きな5月でしょう。 先日は、雹が降ったとの報に、遠野町でコットンと一緒にポット播きした亜麻の芽のことを心配しました。 標高の高い為朝集落では、寒さに弱いコットンは現在温室の中で管理していますが、寒冷地にも強い亜麻は屋外に並べられていたからです。 大事に思うもの、気遣うものがまた一つ増えました。 5月18日から20日まで、いわき市内から8名、そして東京から1名という混成チームで熊本県水俣市を訪問してきました。 私にとっては、昨年9月以来2度目の訪問となります。 地元学の吉本哲郎さんに震災後東京でお会いし、「福島は水俣のこれまでに学ぶべきだ」とのお話を頂いたのが昨年の5月。 私の中で温めていた「水俣に行って学びたい」という思いは、今回、いわき市内で被災者支援・市民レベルでのエネルギー転換・被災地でのスタディーツ アー受け入れ・地域産業の再生などの活動に取り組む仲間たちと共有され、熊本県玉名市に本拠地を置くNPO法人「れんげ国際ボランティア会」のサポー トを頂いて、合同での研修という形となりました。 滞在時間はわずか2日にも満たない、駆け足の研修ではありましたが、対応してくださった方々から重みのある言葉を頂き、濃密な研修となりました。 ひとりで学んだ昨年とは、比べ物にならない深みのある学びとなりました。 修学旅行などのスタディーツアーを受け入れ、負の遺産で地域に人を呼び込むのなら、お金を受け取って被災をある意味「商品」として扱う「覚悟」が必要と語って下さった、NPO法人環不知火ネットワークの吉永利夫さん。 水俣病と向き合ってきた長い歴史の中で、支援者と被支援者がもたれあってきたことで問題を不明瞭にし、大きな過ちを犯してしまったと赤裸々に組織のこれまでを語ってくださった、相思社の遠藤邦夫さん。 水俣病資料館の語り部として自らの体験を語ることを決意するまでの葛藤と、「水俣病」としての認定を得るまでに県に対して10回もの異議申し立てをしてきた体験を通して、正面から問題に向かい合うことの重要性を語ってくださった、緒方正実さん。 「環境モデル都市 水俣」のキーマンとして、「水俣病の犠牲を決して無駄にしない、悲惨な公害を二度と起こさない」そうしたまちを創ろうとしてきた取り組みと、焼酎5合瓶(R瓶)のリユースを進めるといった自社での具体的な取り組みを熱く語ってくださった、株式会社田中商店の田中利和さん。 お一人お一人の言葉に胸を打たれました。 明日への活動に大きな力を頂いた研修でした。 今週末、5月26日・27日にはコットンの直播が予定されています。 首都圏からの援農体験ボランティアの皆さんが、延べ100名以上やって来て下さいます。 いわき市内の4箇所の栽培地に入って、それぞれの栽培地を管理している仲間たちと共に種を播くことになっています。 夏の照りつける陽光の下、一面の緑の葉が風にそよぎ、黄色い綿の花がそこかしこに覗く。 秋の柔らかな日差しの下、枯れ始めた茶色の葉と縫いぐるみのような薄茶色の綿(いわきでは茶綿の栽培に取り組みます)が風に揺れる。 そして、いつの日か【いわきオーガニックコットンプロジェクト】のタグの付いたおしゃれなTシャツを着た若者たちが、いわきのまちを歩く。 そんな風景を思い描きながら、皆と一緒に作業にあたることを楽しみたいと思います。 吉田恵美子 特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長 事務局 〒971-8101 福島県いわき市小名浜蛭川南5番地の6 TEL 0246-52-2511 FAX 0246-38-9538 (ファックス番号が変わりました) 携帯 090-2881−3107 URL:http://www.iwaki-j.com/people/ いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長 事務所 〒971-8164 福島県いわき市小名浜寺廻町1−10 TEL/ FAX 0246-92-4298 http://onahama-volunteer.jimdo.com/ |
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