【ハマっち!防災情報】災害関連情報共有コミュの「いわき震災通信【第42号】」
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いわき震災通信【第42号】
【閲覧数】882
2012年07月22日 18:36
【7月21日号】



皆様、

いわきでは、ここ2、3日驚くほどに肌寒い日が続いています。

最低気温18℃。最高気温23℃。

低温注意報も発令されています。

先日までの暑さが嘘のようです。

しかし凌ぎ易さを喜ぶ気持ちにはとてもなれません。

暑い地方が原産地である綿花の生育に影響が出ないか、不安が過ぎります。

農業生産者の方々は、ずっとこんな気持ちで日々の天気を気にかけているのかと、改めて気付かされます。

九州の大雨も気掛かりです。

(被災された皆様にお見舞い申し上げます)

普通に過ぎる日々の尊さを、かみ締める毎日です。



先日、都内のある事業者の方が、CSRとしての支援先を探して本会にお見えになりました。

15箇所の「いわきオーガニックコットンプロジェクト」栽培地の中で、どこにお連れしたら一番ご理解頂けるかを考え、地元の農業生産者の方が関わりを持っている2箇所の栽培地へとご案内することにしました。

一つは、遠野町為朝集落。この通信の中でも書かせていただいた中山間地の栽培地です。

そして、もう一箇所は平の市街地から北西に数キロの地点、夏井川の河川敷近くにある、下平窪地区の「木田ファーム」。

木田ファームの木田さんは、7年前に脱サラして農業に取り組み始めた方です。

震災前から、障がいを持った方たちには土との触合いが大きな効果を生み出すという「園芸療法」を取り入れながら、有機栽培での農業を進めようと試みておられます。

しかし、震災後、他県から働きに来ていた障がい者の方は、家族から「いわきにいては危ない」と呼び戻されてしまいました。

そして、丹精込めて栽培した野菜が売れないという現実にずっと向かい合う日々が続いていると言います。

市民が運営する地産地消推進店「スカイストア」の協力を得て、土壌や生産物のベクレルチェックを実施しているにも関わらず、売上げは震災前に比べずっと落ち込んでしまいました。

首都圏で福島産の野菜が並ばなくなっただけでなく、地元のスーパーでも取り扱いが激減している現状です。

しかし、木田さんは下を向いているだけではありません。

近くの高台にある工業団地に建設された大熊町からの避難者のための仮設住宅に住む方たちに、農地の一部で一緒に野菜を育てるよう呼びかけています。

延べ15名ほどのお母さんたちが、呼びかけに応じてやって来て、野菜作りが始まっています。

かぼちゃ、ナス、枝豆、胡瓜…。

1畝、2畝ごとに違った野菜が育てられています。

そして、河川敷に作られた畑ではコットンの苗が40~50cmほどにまで背丈を伸ばし、心地良い川風に葉を揺らしています。

ただ、近くとは言っても、車で5分以上かかる場所。

免許を持たないお母さんたちは、時間を遣り繰りし、乗り合わせてやって来るしかありません。

お父さんたちに運転を頼んでも「なんで、そんなことやんねっきゃなんねんだ」と、協力してもらうことは難しいと言います。

仕事の無いお父さんたちを仮設住宅に残して、お母さんたちは農作業へと出掛けて来るのです。

農作業の合間に皆で食べる為にと、自家製の漬物を携えて…。

「前を向くこと」は女性たちから始まろうとしています。



昨日、今日と、バングラデシュにあるアジア女子大学の学生5名がいわきを訪れています。

彼女たちは、ベトナム・バングラデシュ・スリランカなどアジア各国の出身で、都内の認定NPO法人JKSK(女子教育奨励会)の奨学金を受けながら学ぶ学生たちです。

今回は、JKSKの招きで日本での研修の為来日し、いわきで東日本震災とその後の状況について学ぼうとやって来たのでした。

JKSKのメンバーの方やいわき市内で活動している若い仲間、福島大学の学生なども加わり、総勢30名ほどのグループになりました。

昨日は、本会が小名浜地区で設けている交流サロンを見学し、中央台の仮設住宅エリアでのコミュニティ再生の取り組みなどについて説明を受けました。

豊間・薄磯地区の津波被災地にも足を運び、未だにガレキの残る豊間中学校の惨状には一様に表情を曇らせていました。

今日は、為朝集落でのコットン苗の手入れの作業が待っています。

アジアの将来を担う彼女たちに、困難な状況の中立ち上がる女性たちについて伝えたいと思います。



いわきの将来を考える時、常に思い浮かぶのは水俣での長い苦闘の歴史です。

私たちは、今、「『水俣』からいわきの復興を考える」…という講演会を、計画しています。(この計画には、一般社団法人IMCとNPO法人れんげ国際ボランティア会が協力してくださっています)

震災後、私たちの元を「学び」の為に訪れて下さる方が多くなってきました。

そして、私たちの体験を語るにあたって、「語り部」として口を開くことの意味を、再確認したいと考え始めるようになりました。

今回講師としてお招きするのは、水俣市立水俣病資料館で「語り部」として活動しておられる緒方正実さんです。

自らの体験を語ることを決意するまでの葛藤と、「水俣病」としての認定を得るまでに県に対して10回もの意義申し立てをしてきた体験を通して、正面から問題と向かい合うことの重要性をお話いただくことになっています。

と き:7月28日(土)18:00~

ところ:いわき産業創造館 会議室1(いわき駅前ラトブ 6F)

併せて、東日本大震災後、水俣市立水俣病資料館で開催された【水俣からふくしまへ向けたメッセージ展】をいわき市総合図書館内に於いて再展示する予定です。(期間:7月26日~8月26日)

「風評被害を払拭するには本物を作ること!」…水俣からのメッセージには私たちが進むべき道への指針が示されています。

ひとりでも多くの方に足を運んでいただけたら嬉しいです。



吉田恵美子

特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長

事務局 〒971-8101 福島県いわき市小名浜蛭川南5番地の6

TEL 0246-52-2511

FAX 0246-38-9538 (ファックス番号が変わりました)

携帯 090-2881−3107

URL:http://www.iwaki-j.com/people/

いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長

事務所 〒971-8164 福島県いわき市小名浜寺廻町1−10 

TEL/ FAX 0246-92-4298

http://onahama-volunteer.jimdo.com/

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