いわき震災通信【第43号】
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2012年08月03日 15:59
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【8月3日号】
皆様、 小名浜の町に祭の季節がやってきました。 いわきおどり小名浜大会(3日)と小名浜花火大会(4日)。 「いつも通り」に催される祭に心が躍ります。 「小名浜地区復興支援ボランティアセンター」を介して、小名浜地区の復興のために埼玉から通い続けてくれている「絆ジャパンボランティアチーム」の皆さんは、いわきおどりに参加し、地域で集めた寄付金で花火大会の中で市民花火を上げてくれることになっています。 小名浜を愛する仲間が、震災という体験を通して増えてくれたことに感謝したいと思います。 明晩は、できるだけ間近で見上げたいと思います。 小名浜の港を照らす大輪の花を…。 7月28日に、「『水俣』からいわきの復興を学ぶという」講演会を催しました。 講師は、水俣市立水俣病資料館の語り部である緒方正実さん。 事前告知が十分とは言えませんでしたが、40名を超える方々がお見えになり、緒方さんの体験に基づく貴重なお話に熱心に耳を傾けました。 そして、会場の前方に席を占め、一番真剣な眼差しを緒方さんに向けていたのは、13名の中学生の皆さんでした。 彼らは、8月20日から25日までの間、実際に水俣市に研修のために出向くことになっています。 「福島・いわきの再生の道筋は水俣から学ぶべき」との考えで、これまで講演会や私たち自身の研修を行なってきましたが、この学びをいわきの将来を担う若い世代にこそ共有してもらいたいと考え、この派遣研修は企画されました。 (本会がNPO法人れんげ国際ボランティア会と一般社団法人IMCのサポートを受けて行なうものです) 懇意にさせていただいている市内の中学校の校長先生にご相談し、震災後にボランティア活動に積極的に関わってきた生徒の皆さんをご紹介頂きました。 高校生2名もその中には加わってくれることになりました。 訪問する先は、水俣病資料館やエコパーク水俣、水俣病歴史考証館、みなまたエコタウン…。 現地(玉名市)の中学生との交流や熊本県知事の表敬訪問も予定されています。 3000本のドラム缶に水銀汚染された魚たちとヘドロを詰め、水俣湾に埋め立てることでつくられた土地の上に、水俣市民一人ひとりが実生の森を作ろうと種を播いたというエコパーク水俣。 立派な森となったその地に立って、彼らは何を感じ、何を学んでくれるでしょうか。 緒方さんが、講演の後で彼らに手渡したものも、その実生の森の木の枝で緒方さん自身が作られた木製のストラップ(建具職人の緒方さんはこの枝でこけしを作り、メッセージを込めて様々な方にプレゼントする活動をしておられます。私も1体頂きました。今、いわき総合図書の水俣展に展示してあります)でした。 「水俣への切符だと思って、付けてきてください。」 このストラップを手に、彼らは水俣に向かってくれることでしょう。 いわきの明日のために…。 今、いわき市内の44中学校の生徒会長が集まる「いわき生徒会長サミット」では、各校の生徒たちが目標を設定してその目標を達成したときにワンコイン(500円)を寄付し、集まった寄付金でタイの北部に学校を立てようという取組みが進められています。 各校の生徒会長が集まった席で話し合いの中から決められた取り組みだといいます。 被災地であるいわき市内の学校がこれまで多くの支援を受けてきたことへの感謝を、自分たち生徒自身の手による海外支援活動として表すのだといいます。 ある日、現地とこの取り組みを繋ぐNGOから本会に連絡が入りました。 本会がタイへの支援活動を長年行っていることをいわき市内の関係者から聞いて、市内広報に協力してもらえないかとの問い合わせでした。 話を伺いながら、立派な活動であることは理解できても、「何かが違う」という感覚が抜けませんでした。 いわきの子供たちが向かい合うべきは、まず地域のこれからの問題ではないのか。 今、いわきに起きていることから目をそらさないことではないのか。 『被災地からの海外支援活動』という綺麗なストーリーの中で、本質を見失っていまいか。 疑問を伝えると「そういうお考えなら」と、相手の方は電話を切られました。 胸の底に、釈然としない思いだけが残りました。 吉田恵美子 特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長 事務局 〒971-8101 福島県いわき市小名浜蛭川南5番地の6 TEL 0246-52-2511 FAX 0246-38-9538 (ファックス番号が変わりました) 携帯 090-2881−3107 URL:http://www.iwaki-j.com/people/ いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長 事務所 〒971-8164 福島県いわき市小名浜寺廻町1−10 TEL/ FAX 0246-92-4298 http://onahama-volunteer.jimdo.com/ ※ このメールはこれまで名刺の交換をさせていただいた方々にいわきの現状を知っていただきたく送らせて頂いております。 ご不要の方はその旨お知らせ頂ければ配信を停めさせていただきます。 もし差し障りがなければお付き合いいただければと思います。 尚、これまでの通信はザ・ピープルホームページ上にアップしております。 |
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