見田先生のすごさは社会学的想像力と、
高校生にも分かる卓越した表現力ですね。
ことしもよろしくお願いします!
最も尊敬している社会学者の見田宗介さんのインタビューが、2008年12月31日朝日新聞の3面に出ていた。 昨日12月30日昼、横浜駅東口地下街ポルタの丸善で彼の論文「まなざしの地獄」が新刊となって8月に出ていたのを手に取り驚いた翌朝だったのでなんとなく「抜かれた!」感がある。 「まなざしの地獄」は、連続無差別射殺犯の永山則夫について論考したテキストで、1973年に書かれていた。今回の朝日の記事は、今年発生した秋葉原の無差別殺傷事件と 永山則夫の事件の対比についての聞き書きであった。 わたしは高校2年の冬『人間解放の理論のために』(筑摩書房)を読んで衝撃を受け、『気流の鳴る音――交響するコミューン』(筑摩書房, 1977年)『現代社会の存立構造』(筑摩書房, 1977年)を立て続けに読んだ。 「まなざしの地獄」が収められている『現代社会の社会意識』にもこのころ接した。 犯罪を、このように複層的に時代/地域というものをクロスさせて、データに即しながらも想像力豊かに解釈していく手法があることを知った最初だった。 確か、永山則夫が渋谷のフルーツパーラーに勤めていた、というくだりをこの論文で知ったように思う。今は無き、東急文化会館にあったフルーツパーラーだった(と思う)ことを知って、なんだか身近に感じたことを覚えている。 難解なようでいて、難解でない。高校生にも読めるです。 社会学なんだけど、詩的。 きのうは荷物が多くて買えなかった「まなざしの地獄」の新装版。 わたしの新たな年の、個人的探索テーマは「貧困」。 流行で申し訳ない。 いろいろな貧困が、ヨノナカにはある。 それを理解していくためにも、見田さんの本を再読していこうと思う。 「まなざしの地獄」は以下です。 http://www.amazon.co.jp/%E3%81%BE%E3%81%AA%E3%81%96…4309244580 |