昨日、会社帰りのバスの中で同僚からの携帯電話。 「あっちゃー!また失敗しちゃったのかしら、わたし?」 バスから下車後に急ぎ折り返すと、モノをわかってる大人の彼女が、いつものようにおっとりと 「あのね、オーノさん、ごめんね、気づいちゃったんだけど……。 結婚のときののしは水引が【結び切り】のを使うのね。 まだ、よそに配ってなかったら……と思って」
ちょうど結婚祝いのお返しを会社で配ったところ、 どうも、そこにつけた熨斗が正解ではなかったらしく、あとで教えてくれたのでした。
これが、わたしが100均でテキトーに買った熨斗の水引部分。【花結び】と言います。 チョウチョ結びだから、何回でも結びなおしができます。
正解はこちらでした。こっちが【結び切り】。 固結びだから、一度結んだらほどけません。
お祝いとか喜びだからって、くり返したり、多ければいいってものではないのですね。 婚礼関係のお祝いは、離婚→再婚→離婚→再々婚って、くり返さないように、 快気祝いも、二度と病気にならないように、 【結び切り】にするそうです。
今回、この水引のことを聞いて思い出しました。 心理療法の一つで、ブリーフセラピーっていうのがあります。これも似ているなあ、と。 ここでも「つづける」か「やめる」がアプローチの基本の3つになっています。 日常での判断材料としても応用しやすいので紹介します。
(1) 壊れていないものを、直そうとしない。 (2) 一度うまくいったことは、どんどんそれをしよう。 (3) うまくいかなかったら、二度とくり返さない。違ったことをしなさい。
(1)は、いじくりすぎ、石橋を叩きすぎての典型ですね。 うまくいっているなら、落ち着いて、変えない(変わらない)のがベター。 (2)は、軌道に乗ったなら、今度は続けるのがテーマ。 このとき、続けるには、ゴールをつくってそこをめざすのがコツです。 (3)は、よくありがちな「まちがった努力」の対処。 ただ「やめる」「とまる」というのは難しいんですね。 そこで、「違ったことをする」のです。すると、そっちのほうがスムーズだったりします。
なんでも、続ければいい、やめればいい、ってものではなくて 慶事の内容によって、水引が変わるように どういう状況が起きているのか、じっくり観察することが大切ですね。
それにしても、わたし、いい年してモノを知らなすぎでした! |