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2012年03月28日(水) 
書名:ゴッホ殺人事件(上)
著者:高橋 克彦
発行所:講談社
発行年月日:2002/5/20
ページ:344頁
定価:1700円+税

書名:ゴッホ殺人事件(下)
著者:高橋 克彦
発行所:講談社
発行年月日:2002/5/20
ページ:386頁
定価:1700円+税

「ゴッホ」という名前を聞いて知らない人は先ずいないと思う。「ひまわり」「アルルの跳ね橋」など彼の絵を見たこともあると思う。でも意外と知られていないのが、生前に売れた絵はたったの一枚。現在では1枚10~15億円は当たり前。何故売れなかったのか?

四歳年下の弟・テオはゴッホを経済的に援助し続けていたことでも有名だ。また美しい兄弟愛でも知られる。テオはパリ屈指の大手画廊に勤め、新人発掘でも確かな鑑識眼が逢ったことも知られている。でも身内の兄ゴッホを売れっ子画家には出来なかった。

パリで美術品の修復している加納由梨子の母が、東京で死ぬ。父の遺品のミレーの模写が亡くなっていた。また貸金庫にドイツ語で書かれた絵のリストが残されていた。どうもゴッホの作品の一覧(オランダ在住のとき)のように思える。それも未発表作品50点以上、本当にゴッホの作品とすれば時価700億円を下らない価値がある。

オルセー美術館の学芸員マーゴ(専門はゴッホ)と由梨子はそのリストをたよりに父の過去を調べる。二人の行動する裏にマサド(イスラエル中央情報局)、アムステルダム検事局員の影が忍び寄る。次々と人が殺されていく。ナチスが印象派の作品を収集していたことが判ってくる。それもヒットラーは印象派の作品は大嫌いだったとか。その印象派の作品をアメリカに売ることで、戦費に回していた。結果的にヒットラーのお陰で印象派の作品、画家は戦後有名になって世界に注目されるようになった。ちょっと皮肉な結果。

ゴッホは自殺したと言われているが、この作品では殺されたという推論をしている。ゴッホとテオの関係を洗い直している。未発表作品を巡る欲に駆られた人、組織と加納由梨子とその関係者達の攻防が非常に面白い。
ゴッホも石川啄木とおなじように生前は悲惨な生活を送っていた。また作品も殆ど売れなかった。似たような二人。弟のテオが身内ゆえに、兄の作品を第三者の作品のように、気楽に売ることが出来なかったのではないかと。半年後テオが死んで、その妻になって突然ゴッホの作品は引き手あまたで売れるようになる。ゴッホの手紙(回顧録)のやりとりを慎重に読みながらその行間にある隠されて事実を見つけながら緻密な論理展開している。なかなか面白い作品です。

閲覧数1,861 カテゴリ本に出会う コメント0 投稿日時2012/03/28 17:09
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