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2012年05月28日(月) 
「なぜ地域SNSのようなローカルなソーシャルネットワーク(LSN)が必要なのか。Facebookやmixiのようなより大きくグローバルなソーシャルメディア(GSM)があるのに、それで十分なのではないか?」。
この疑問は、地域SNSが誕生してから現在までずっと問われ続けてきた命題でした。

 確かに、これらのシステムはソーシャルネットワークの機能や人と人をつなぐ役割は非常によく似ています。しかし、つながりあう個人同士のヒューマン・キャピタル(1) の増強がネットワーク利用の動機となるGSMと、質の高い個人間の信頼関係や人間関係のゆるやかなつながりから創発する人々の協調行動を活性し、地域社会の効率性を高めるソーシャル・キャピタルの醸成につなごうというLSNとは、そもそも別の目的を持つICT時代のメディアなのです。

 我が国は、高齢化と人口減少の急速な進展、減退を続ける経済、疲弊・硬直化したさまざまな制度や組織、自然エネルギーへの転換の遅れなど、多くの課題を抱えています。これらを解決し活力ある地域社会を保ち続けていくには、一人ひとりの創意工夫が生み出す知的付加価値を高めていくことが大切で、また、お金で測れる経済的価値だけでなく、幸福感の向上を実現することがますます重要になっています。

 この鍵を握るのが、LSNが見える化する「新しい形の知縁コミュニティ」です。しがらみ感の強い従来の農村型地縁コミュニティではなく、多様で寛容なネットワーク同士が葡萄の房のように連なる(クラスター状)ゆるやかなつながりの総体です。厚い信頼とほどよい支え合いが温かくて心地よい安心安全な空間を生み出し、「共感」「共鳴」「連携」「協働」を促進し、地域社会のソーシャル・キャピタルが醸成されます。すなわちGSMとLSNは、排他的または包括的なメディアではなく、補完関係を成立させ融合的に取り扱うことにより、大きな効果を地域社会にもたらす環境になるものなのです。

 SNSが社会的認知を広げ始めた今こそ、GSMとLSNの目的や効果を整理し、さまざまな活用アプローチを考究することで、互いの相乗効果が地域社会を元気にするという具体的なデザインを提示する時になりました。地域SNS全国フォーラムの節目となる10回目の姫路大会は、この使命をしっかりと果たし5年後の我が国の地域ネットワークのビジョンを見える化する場となるものと大いに期待しています。

(1) 人的資本:資格や学歴などで測定される人間が持つ知識や技能などの能力を資本として扱う経済学の概念

第10回地域SNS全国フォーラムin姫路公式HP
http://www.memenet.jp/snsforum/index.html

閲覧数1,096 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2012/05/28 07:10
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