書名:あきない世傳 金と銀 源流篇 著者:高田 郁 発行所:角川春樹事務所 発行年月日:2016/2/18 ページ:279頁 定価:580 円+税 時代は江戸時代享保期、舞台は大坂。摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。享保の大飢饉や兄、父との別離を経て9才で大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奥向きの女衆として奉公へ出されることになる。父は「商は詐なり」と商人を嫌っていた。丁稚は人(将来番頭、のれん分けも可能)でも女衆は「一生、鍋の底を磨いて過ごす」 しかし幸は知らない事を知る喜びを知っている。知恵をつけたいと思っていた。 そんな幸の才を番頭・治兵衛は徐々に丁稚の教育を行っている隣部屋で「墨をする」仕事を与えられて「商売往来」(商人としての教科書)を耳学問で覚えていく。商いに心を惹かれていく。果たして、商いは詐なのか。幸が生涯を賭けて進むべき道か?「みをつくし料理帖」の著者が贈る、商道を見据える新シリーズの第一弾 本書より ------------ 「手の荒れておらぬ者は信用するな」 「自らは何も生み出さず、汗をかくこともせず、誰かの汗の滲んだものを右から左へ動かすだ けで金銀を得るような、そんな腐った生き方をするのが商人だ」 国立国会図書館デジタルコレクション - 開化絵入商売往来 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802871 |