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2018年01月17日(水) 
書名:欲望産業(上)~小説巨大消費者金融
著者:高杉 良 
発行所:集英社
発行年月日:1995/5/25
ページ:405頁
定価:620+税

書名:欲望産業(下)~小説巨大消費者金融
著者:高杉 良 
発行所:集英社
発行年月日:1995/5/25
ページ:383頁
定価:580+税

1984年に刊行された「逆襲するエリート銀行家」を名前を変えて発刊したものです。これは武富士をモデルに当時サラ金の評判が非常に悪かった時代。この本の発刊対しても武富士から横やりが入った。それでも発刊した。ちなみに武富士は同社は1996年にJASDAQ店頭公開、1998年に東証1部上場された後、2010年9月に会社更生手続きを申請した。この小説は武富士の破綻を予言するような消費者金融の構造的な問題点、武富士の経営理念などの問題点などを鋭くついています。

大手都銀の帝都銀行・元常務の大宮紘平が主人公。帝都銀行行内で頭取に一番近い男だったが行内抗争に敗れ、系列の帝都クレジット社長に追われた。それでもカード業界で大宮旋風と言われる拡大路線を展開した。その積極的なやり口が帝都銀行経営陣には嫌われ帝都クレジット社長を追われようとしていた。その大宮の経歴と手腕に目を付けたのは消費者金融最大手・富福(書いてふくとみと読ましている)のオーナー社長、里村栄一だった。

オーナー社長に見込まれて副社長で富福の経営に参加する。しかし富福の驚くべき企業体質だった。オーナー経営者のどんぶり勘定、気分で人事はめちゃくちゃ、しかし世の景気を受けて業績はどんどん上がるばかり、人手不足で次々と社員達は止めていく。消費者金融の絶頂期を克明に描き。その問題点を描いている。サラ金法が成立する以前の実態を詳しく描いている。

エリートバンカーの大宮は市民権を得ていない消費者金融(サラ金)を市民銀行を目指して経営をしようと奮戦するがオーナー経営者里村の絶対君主として立ちはだかってくる。社長になったが、名前だけの社長実質経営権、人事権などはオーナー経営者会長の里村へ。街金、サラ金、高利貸しから出発して消費者金融が突然規模だけ大きな企業に人材の育成も出来ない。企業体質も軟弱、企業倫理などもなし、金さえ儲ければ良いで一気に走った企業を描いている。今でも十分通用する力作です。

閲覧数1,041 カテゴリ本に出会う 投稿日時2018/01/17 21:55
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