山本周五郎 作品集四 Kindle版「壺」「暴風雨の中」「雪と泥」 http://princeyokoham.sakura.ne.jp/smf/index.php?top…ic=36468.0 書名:山本周五郎 作品集四 「壺」「暴風雨の中」「雪と泥」 著者:山本周五郎 発行所: 頁数:124ページ 発売日: 定価:110円 Kindle版 「壺」 紀伊国の新宮で木村外記と名乗る中年の武士がひょんな事から瘤七(七郎次)という若者と出会う。新宮から熊野川を二里ばかりほど遡った御船という在の農夫の三男である。幼い頃から力が強く、近郷では名前が通っていた。彼は侍になりたいという志を持っていた。そんな彼が三人の侍と果たし合いをしているところに木村外記が出くわす。木村外記とは荒木又右衛門の仮の名。夢を持って一途に考えて行動する若者の方向転換をどうするかそんなテーマの小説です。 「暴風雨の中」 暴風雨(あらし)の中、三之助は家の二階で独り寝ころんでいた。とそこへ、一人の男がやってくる。その男は三之助を捕まえに来た岡っ引き、嫉妬から岡っ引きに居所を教えた女、の3人だけの登場人物、三人の語り口の中から三之助の過去の経緯などが段々分かってくる。台詞が多い小説です。でもなんとも言えないリズムが楽しい。 「雪と泥」 ウブな男を引っ掛けて、ほんの軽い気持ちで芝居を打つしたたかな美女。真面目で純情なだけに、本気になる大身旗本の坊ちゃん侍の身体窮まって思い詰める様子が哀れ。 結局つぎ込んだ割に上手くいかず失敗したけど、ちょっといい思い出だったと笑うおしのと、おしのを信じる余りに道に外れてまで金を工面しようとする折之助の最後。 男と女の物語、二人の思いも全くあっていない。違う人間が二人それぞれの思惑で必死に生きていく生き様が見えてくるでも男ほど女は必死ではないし、冷め切っている。それに気がつかないところが面白い。一途というのは、はたから見えることが見えなくなってしまうようです。 「雪と泥,」,山本 周五郎,作, https://www.youtube.com/watch?v=sQ-oLBBWilI |