“夜回り先生”こと水谷修氏の講演会が10日、南公会堂で行われた。これは南区PTA連絡協議会が主催したもの。会場には保護者や子どもなど約400人が集まった。 仕事柄、水谷氏の講演は何度か聴いたが、最初から最後まで聴くのは初めて。自らが夜の世界でしか生きられない子どもと向き合ってきた体験を語っていた。 強調していたのは「子どもを叱ることより褒める言葉を」ということ。大人が子どもに褒める言葉をどれだけ投げかけているか-。そう問われると、うーんと考えてしまう人がほとんどだろう。 日本は諸外国に比べて家庭や学校が子どもにとって「安らげる場所」ではないというデータがあるという。生活の大半を過ごすこの2つの場所が安らげないことと、いじめ、薬物、非行…といったことに関連性があるのだろう。 国がゆとり教育から再び土曜日も授業を行うような方向に舵を切ろうとする中、水谷氏は「ゆとり教育が間違っているのではない。できたゆとりがケータイ、ゲームに向かっていることが問題」だという。この状況を放置し続けてきた文科省が今さらゆとり教育を見直そうというのがおかしいという主張だ。 私は初めて知ったが、市立高校の教員だった水谷氏は前市長が掲げた青少年保護育成条例の罰則強化(保護者に対する罰金)に反対した結果、横浜市を去ることになったという。横浜は惜しい人材を手放してしまったものだと感じた。 |