文庫本のカバーに書かれている内容は、・・・ 恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく…。いくつものベッドで過ごした、ひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。 あらすじ的に書いてしまうと数行で終わりますが、自分の母親や、祖母のような年齢の女性に真剣に向き合う中で、彼女たちの心の奥底の秘密や、それぞれの欲望を知ったときの反応、そして彼女たち自身を表現する言葉がとても柔らかく、優しいのが気に入りました。相手を観察し感じ取ることで、相手のために自分が何を出来るかを考えることは、この小説の中の話だけでなく、現代社会でも必要なことですし、見習いたいところです。 リョウがアルバイトで働いているバーテンダーも、興味ある仕事に思えてきました。 『娼年』(Amazon) http://www.amazon.co.jp/gp/product/4087476944?ie=UT…4087476944 ★★★★☆ |