7回死んだ男が主人公ではないのですが、なぜ7回も死んだのかということで、この物語の設定が最初の方で説明されています。 すなわち、同じ日を9回繰り返すことがあるという不思議な体質をもつ少年が主人公である久太郎(ひさたろう。「きゅーたろう」と親族から呼ばれている。)が、祖父の渕上零治郎の死に7回も遭遇するのです。 まぁ、ということは残りの2回は死ななかったのか、などと計算しても仕方ないのですが。 こういった設定は、この小説だけでなくほかでも書かれていますが、内容が軽快で読みやすかったです。 というのは、こういう設定は、もがき苦しみながらもそこから抜けられないというどろどろした状況が多く、読んでいるだけでも気分が滅入ってしまうことがあるからです。 ちょっと、そうなりかけはしましたが・・・・。 それにしても、登場人物の名前のユニークさは、何度も読み方を忘れさせ、最初の方を読み返す必要がありました。 名:零治郎、深江、加実寿、故留乃、葉流名、富士高、世史夫、久太郎、・・・ 姓:鐘ヶ江、槌矢、友理、・・・ ★★★☆☆ |