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2008年07月24日(木) 
毎度、理系レビューのご紹介です。
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3日間でネーミングを開発できるマニュアル
http://s-pr.com/super-prway/all.php?id=2011

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|00│肥田野正輝の「理系レビュー」………………「コンサルタントの道具箱」
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●今回の新刊本=「コンサルタントの道具箱~勇気と自信がもてる16の秘密」
G.M.ワインバーグ著、日経BP社刊(2003/7/28初版)【¥2,310円(税込)】 
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■文理の中間領域で葛藤する人たちへ(1/2)
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著者のワインバーグ氏は、経験豊富なソフトウェアコンサルタントだ。文理の
中間領域に位置する、ITコンサルタントやSEにとって、彼の著書はどれも
必読だ。本書は、ソフトウェアビジネスに関わりがない読者にも価値がある。

ソフトウェア開発のプロセスは『問題解決』の繰り返しである。問題の発生し
ないプロセスはプロジェクトに値しない。そもそも問題が存在しなければ、プ
ロジェクトは発生しない。                       

つきつめれば、ビジネスそのものが『問題解決』の手段である。ある時は大所
高所から、ある時は微々細々に及ぶまで、てこ入れが必要だ。TPOに応じた
解決策を示すには、問題を解決する道具箱が必要である。それが本書だ。  

ソフトウェア業界でしか通用しないノウハウならば、敢えてここでは紹介しな
い。誰にでもわかりやすいメタファ、すなわち比喩を多用し、イメージ脳に直
接訴えかけるのが、本書の最大の特徴といえる。             

問題の解決を妨げる原因の一つに、『データの歪曲』がある。『鉄道の逆説』
は、そのパターンの一つである。ある鉄道会社の幹部が、ある駅を停車駅にし
て欲しいという要望を拒否したときの話である。             

「その時間に、誰もその駅で待っていないから」というのが理由だ。停車しな
いのだから、待っている筈がない。サービスが満足でないために、利用されて
いないのだ。それを理由にサービス向上を拒否するパターンのメタファである。

■合理的であるな。妥当であれ。(2/2)
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『鉄道の逆説』は、あまりに馬鹿ばかしい比喩に思えるかもしれない。だが、
実際に、そこここで目にする光景である。パソコンメーカーのサポートは、上
級者向けには用意されていない。連絡してもマニュアルの棒読みを聞かされる。

わかりきった説明を何度も聞かされるのが嫌だから利用しない。だが上級者は
本当は忙しいのだ。自分で試行錯誤して解決する暇があるなら、たとえお金を
払っても、直ぐにどうにかしてもらいたいことが多い。『鉄道の逆説』である。

メタファを通じ、より多くのパターンを腹に落とし込んでおくことは、『問題
解決』を速やかに進めるために重要である。現実の世界はそれほど単純ではな
く、メタファ同士が競合する事は多い。                 

一つのメタファを絶対視すべきではない。多くのメタファを理解して、組み合
わせ、さらに高度なメタファへと発展させていくのが、コンサルタントや、
『問題解決』を請け負う人材の務めであろう。              

ワインバーグ氏は、本書で『合理的であるな。妥当であれ』と述べている。合
理性は、がっちりとした論理の鎖に頼っている。そのため、輪がひとつでも傷
んでいれば、合理性の鎖全体が崩れることになる、というのだ。      

私がある時期を境に、合理至上主義を諦めた最大の理由である。人間は鎖と違
って、適度に柔らかい。だからこそ、一見脆そうでも、なんとか生きていくこ
とが出来る。ジャイロスコープのようなバランス感覚が重要なのである。  
【肥田野正輝・記】
(感想メール: MasaGon@MasaGon.jp )         



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|00│肥田野正輝の「理系レビュー」                   
| |     ………………「3日間でネーミングを開発できるマニュアル」
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 ●今回の新刊本=「3日間でネーミングを開発できるマニュアル
                    ~大切な商品名は自分で考える!」
  弓削徹著、ネーミング開発研究所刊(2007/4/1初版)【¥19,000円(税込)】
  購入⇒ http://www.yugetoru.com/tool/index.php (キャンペーン価格有) 
                                    
 ■充実した実例に基づくネーミングの教科書(1/2)             
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 マーケティング・コンサルタントの弓削徹氏による、ネーミングの教科書であ
 る。弓削氏は、本メルマガ連載『売れるネーミング術』でおなじみのネーミン
 グ・ライターだ。多くの大企業で、商品企画やネーミングに携わってきた。 
                                    
 ネーミングの仕事は、素人にとって捉らえどころがない。「当たるも八卦」の
 水商売というイメージがある。ただ、プロのライターはネーミングを安定的に
 供給するためのノウハウをもっている。確立された一連の流れである。   
                                    
 ネーミング・ライターの飯の種となる、「丸秘マニュアル」を公開したのが本
 書だ。アイデア発想前の準備方法、パターンに即したネーミング案の創出方法、
 候補の絞り込み方法などが順を追って紹介されている。          
                                    
 ネーミング発想には、ある程度パターンがある。核となる単語の語尾をカット
 したり、擬態語をからめたりする。それらが一例だ。どれだけのパターンと実
 例を知っているのか、その点がネーミング発想の質と量を決定する。    
                                    
 本書には、19パターンの発想法が紹介されている。それぞれ50例程度の実例と
 解説がある。ネーミングパターンと結び付けて、豊富な実例を眺めていると、
 さまざまなアイデアがインスパイアされてくる。             
                                    
 パターンに応じた、接頭語や接尾語として使えるリストが掲載されている。多
 数の候補を創出する場合は容易で、便利である。とくに時代に即し、ネットの
 活用方法や中国市場向けのネーミング手法の紹介は興味深いものがある。  
                                    
 ■誰がネーミングするのか?(2/2)                    
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 自分の子供の名付けを、広告代理店に発注する親はいない。たとえ経験やノウ
 ハウがなくても、試行錯誤を繰り返し、愛情をもって名前をつける。本来ネー
 ミングとは、製品を知り尽くした担当者が愛情を込めて決めるものだ。   
                                    
 本書の執筆は、著者のそんな考え方からスタートしている。個々の内容には、
 難しい点はまずない。一読すれば理解できる。ただ、知らなければ何百倍も遠
 回りさせられることは間違いない。著者の長年に渡る経験がエキスだからだ。
                                    
 ネーミングは、アイデアの創出だけでは片手落ちになる。多数の候補を評価し、
 絞り込む手順が必要なのだ。著者は独自の基準をもとに、それらを評価する。
 「音相」すなわち言葉が持つ、音的な表情はその一つであり、内容は興味深い。
                                    
 ネーミングが定まれば、次の関心事項は商標登録だろう。費用面のみならず、
 登録できるワードであるかどうかの判断は難しい。登録が難しいために、商標
 登録なしの商品事例などが紹介されているから、制度の特徴が理解できる。 
                                    
 ネーミングの成功例は、労せず耳に入るが、失敗例は埋もれてしまう。失敗に
 学ぶことは必要だ。本書には、失敗例についても、詳細な経緯の説明があり、
 ここも見逃せないポイントの一つである。                
                                    
 本書は、ネーミング作成の必要に迫られたビジネスマンが、即座に実践できる
 内容となっている。過去の成功ネーミングの評論や、開発手法の表層を解説し
 た、教養本の類ではない。多くの会社で実践書として活用できるだろう。  
                           【肥田野正輝・記】
 (感想メール: MasaGon@MasaGon.jp )                 

閲覧数2,817 カテゴリオピニオン 投稿日時2008/07/24 09:58
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