椎名誠さん
「ハマの麺食い男」は多分に影響を受けております。
はやいもので今年もあと3週間。 バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ、、、あー、まったくバタバタしています。 しかし、移動の電車の中では、昔(10年くらい前)に買って そのまま保存されていた2冊の椎名誠をながめていたりします。 食 (だけではないけれども、自分がもっとも期待と関心をもつところ)に関する氏の表現、 純粋さあふれる、といいますか、虚飾なし・やらせなし、といいますか、 要するに 《 ステキだなぁ 、、オリジナルだなぁ 、、、》と思います。 もっとも、こうしている瞬間にもどこかの空の下に確実にいるところの お腹を空かして泣く子や食べられずに生きていけない人、飢えて病に冒される人、 せっかく食べ物をみつけても地雷があって悲しく見ているほかに手立てがない人、 そういう現実や人間の愚かしさも氏は十分に知っており、かつ、知るだけにとどめず 氏なりにがっちり引き受けたうえであの文章を成立させるあたりに 《 うーむ、さすがは椎名誠、、、》と感じる部分もあるかと。 (ほかにも、ペットブームに違和感を感じること、礼儀作法や言葉遣いの こと、 話し声の騒音化のこと、などなどを読むと、なるほどねぇ、、とシビレる。) ======== さておき。 たとえば このような文。 自分、好きです。 > そばを食べに行ったのだが、なんだか急にカツドンが食いたくなってしまった。 > カツドンはその昔常にファイトにもえて食っていたが、 > 数年前から、急にどうでもいいどんぶりものの代表になってしまった。 > もうよほどのことがないかぎりあのような濃厚なアブラものを食うことはあるまい、 > と思っていたのだが、おおなんてことだ。 いまがその“よほどのこと”なのだろうか、 > と思いつつ、たっぷりのカツドンをわしわしと食った。 > さっぱりしたカツドンで、その注文は正解であった。 あるいは、 > 一関ではみちのくプロレスのナゾのペインティングレスラーとビールをのんだ。 > 偶然入った店だったが、サンマとカツオのとびきりうまい刺身があったので > 逆上してこいつをどおーんと大皿山盛り注文してしまった。 > プロレスラーはやっぱり呑むのもたべるのもすごい。生ビールジョッキ三杯のんで、 > ゴハンを丼にいっぱいカツオの刺身でわしわし食って、 > そのあとまた生ビールをはてしなくのんでいた。 とか、 > 越後川口というサービスエリアにクルマをとめた。 > レストランはもうやっているが、客は誰もいなかった。 > ノーマルな朝定食にしようかどうか少し迷ったが、カツライスを頼んだ。 > 朝からトンカツというのはどうも歳を考えるといささかすごいかなあ、と思ったが > なぜかしきりにそれが食いたかった。身体が求めていたのかもしれない。 > 世の中には思考は別と思っていたのに体がやみくもにそっちへ走っていってしまう、 > ということがままあるようだ。 さらに自分が気がつかないうちにそれなくては生きていけない、 > という体になってしまっている-ということがあるようだ。 > まあカツライスごときでそんな体になってしまうということはないだろうが・・・・・。 > 戸惑いつつ食券買って窓ぎわの席へ。 > 少し時間がかかったが、出てきたそれがまことにうまかった。 > どうやらつくって間もないらしい味噌汁に炊きたてらしいあったかゴハン。 > ひょっとするとコシヒカリかもしれない。トンカツはあげたてで、パリリカリリと香ばしい。 > ソースを多い目にかけていやはやカツライスは越後川口SAにかぎる、と思いましたね。 などなど。 こうして、活字をみながら打ち直してみると、 氏の文章には意外とひらがなが多いのだねぇ、、、。 いまだに原稿は手書きだというから、まぁそういうものなのかも。 ワープロだとどんどん漢字に変換するけど、手書きで漢字を書くのは面倒だものなぁ、、、。 |