北風と太陽とは、ご存じのようにイソップ寓話のひとつです。 あるとき、北風と太陽が力比べをしようとする。そこで、旅人の上着を脱がせることができるか、という勝負をする。 というものです。 なぜこんな話題を出したかといいますと、 実はこんな記事を読んだからです。 「おカネあるのに使わない高齢者 それが若者の低賃金を生む」 http://www.j-cast.com/2009/02/07035270.html 個人金融資産のなんと8割を50歳代以上の人々が持っている。お金のある高齢者が消費しないため、若者にお金が環流しない、ということのようです。 第一生命経済研究所が、2005年7月5日にまとめたレポートだ。それによると、04年度末の個人金融資産約1400兆円のうち、30歳代以下は1割にも満たない。ほとんどが中高年で、うち5割強を60歳以上が占めている。団塊世代を含む50歳以上だと、8割にも達するのだ。 問題は、こうした人々の持つ個人金融資産をどうやって消費してもらうかです。消費して市場に出回るようにするためには、日本人は必要以上に「イザというときのため」の意識が強すぎるということはあるにしても、先行きが不安な状況では貯蓄するなというのは難しいでしょう。 ちなみに海外では、イタリア人は人生を楽しむために金を使い切るまで遊び、アメリカ人は老後の準備をして、そのために最もお金を使うそうです。 北風のように強引に上着を脱がそうとする(=税金などで無理矢理徴収する)のではなく、太陽のようにうまく上着を脱がせる(=自らお金を使ってもらう)政策が必要なのではないかと思いますね。 |