中国文化に学び、輸入した漢字に国字、平仮名・片仮名まで加えて表現の幅を広げた日本。日本製品を使い、マンガ、アニメに親しんで、「萌え」「かわいい」を輸入する中国。両国の交流は進み、相互理解は深まっているように見えるが、「同文同種」の底にあるのは実は相互誤解ではないのか。季語・季題、四字熟語、謝罪会見、熟年離婚—。両国の言葉と文化の類似性と独自性を歴史的に検証し、相互理解への道を探る。 この本の紹介文です。R25だったか、雑誌を読んで気になって、図書館でネット予約。ようやく借りられた本です。 日本と中国が、隣なのに、なかなか理解できないでいる原因に迫っています。 日本人が自分たちを知るのは、こういった外国の人から日本をみた著作を読むことが必要だと感じます。 特に、この本は日本と中国の歴史的な関係や、日本人のマルチスタンダードな価値観など、新渡戸稲造の『武士道』やルース・ベネディクトの『菊と刀』からの引用や、最近中国で流行っているという漢俳などの事例を挙げて、様々な角度から追求しているところがなるほどと思わせます。そして、日本の文化をきちんと理解してくれ、決して否定していないところが好感の持てるところです。 宮沢賢治の著書に関しては、引用や参考にしている部分がとても多く、賢治の世界に対する研究をよくしています。 言葉に関する日本人の考えも、中国や西洋の人々には理解しにくいことも、この本を読んで改めて気付かされます。 日本で夫が定年を迎えたのを契機に離婚するケースが多いというのが理解できないというのも、おもしろいですねぇ。 感謝や謝罪に関する考え方の違いというのもあります。 お薦めです。 『日本と中国―相互誤解の構造』(Amazon) http://www.amazon.co.jp/gp/product/4121019660?ie=UT…4121019660 ★★★★☆ |