赤レンガ倉庫で開催された横トリ・アーカイヴに関するトークバトルに参席した。 「こりゃ、うまくいくはずがないなぁ」という裏事情がてんこ盛りで、きちんと三回トリエンナーレを開催できたのはすごいことだ、と逆に感心してしまう。 さてトークバトル会場の奥で「横濱地図博覧会2009 vol.2」という展示が、金曜日まで行われている。 いくつかのテーマに別れているが、そのなかのひとつ「古横浜村からの申し送り」というのがすごい。 開港前の横浜の地勢、地霊や寺社仏閣の配置などから、伝承としてのこっている「龍の道」(大地の気脈のルート)を推測してみたり、CGでいにしえの洲干島を再現したり、まぁ、色々やっている。 個人的には「洲干島(現在の現在の北仲地区〜アイランドタワー周辺)は半島ではなく、じつは島か岬だったのではないか?」という仮説は興味深いと思った。 「古来、洲干島が聖域とされていたのは、昔の十二天のような切り立った崖だったからではないか?」 あるいは 「モン・サンミッシェルのような歩いて渡れる島だったのではないか?」 う〜ん、おもしろい。 たかだか150年前の市内の地形の話で、こんな異説が出るとは。 残念なのは、展示の制作者の名前がクレジットされていないこと。 「素人郷土史家の仮説」と断っているだけで、名前がない。 せっかく良い仕事してるのに、文責の所在がわからないと、展示の価値がさがってしまう。 それから「メリーさん所縁の地」のパネル展示とツアー実施の案内もあったのだが、今更なレベルでがっかり。 例の映画に出てくる場所しか、取りあげられてないじゃん。 ニューグランドとか、産業貿易センター、県庁の地下のトイレ、伊勢佐木町ブルースの歌碑の隣のビルの二階にあったフォルクス、彼女が30年通った焼鳥屋、入院した野村病院、常宿にしていた「一力」の跡地(現在はソープランド)など、かなりのスポットが抜けている。 まじめに調査したのか? 映画見てピックアップしただけじゃないの? 僕の本も読んでいないか、あるいは読みはしたが知らないフリをしたか。 Mさんが写真を提供しているようなので、配慮した可能性もある。 「古横浜村からの〜」が楽しい試みを果敢にしているというのに、かなり遺憾なレベルだ。 これが「横浜市民クオリティ」なんだろうね。 かなり上から目線で書いてるけど、それくらいむなしい気持ちです。 「消えた横浜娼婦たち」、波紋一つ起こしてないんだね。 |