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2009年09月23日(水) 
赤レンガ倉庫で開催された横トリ・アーカイヴに関するトークバトルに参席した。
「こりゃ、うまくいくはずがないなぁ」という裏事情がてんこ盛りで、きちんと三回トリエンナーレを開催できたのはすごいことだ、と逆に感心してしまう。

さてトークバトル会場の奥で「横濱地図博覧会2009 vol.2」という展示が、金曜日まで行われている。
いくつかのテーマに別れているが、そのなかのひとつ「古横浜村からの申し送り」というのがすごい。
開港前の横浜の地勢、地霊や寺社仏閣の配置などから、伝承としてのこっている「龍の道」(大地の気脈のルート)を推測してみたり、CGでいにしえの洲干島を再現したり、まぁ、色々やっている。

個人的には「洲干島(現在の現在の北仲地区〜アイランドタワー周辺)は半島ではなく、じつは島か岬だったのではないか?」という仮説は興味深いと思った。
「古来、洲干島が聖域とされていたのは、昔の十二天のような切り立った崖だったからではないか?」
あるいは
「モン・サンミッシェルのような歩いて渡れる島だったのではないか?」
う〜ん、おもしろい。
たかだか150年前の市内の地形の話で、こんな異説が出るとは。

残念なのは、展示の制作者の名前がクレジットされていないこと。
「素人郷土史家の仮説」と断っているだけで、名前がない。
せっかく良い仕事してるのに、文責の所在がわからないと、展示の価値がさがってしまう。

それから「メリーさん所縁の地」のパネル展示とツアー実施の案内もあったのだが、今更なレベルでがっかり。
例の映画に出てくる場所しか、取りあげられてないじゃん。
ニューグランドとか、産業貿易センター、県庁の地下のトイレ、伊勢佐木町ブルースの歌碑の隣のビルの二階にあったフォルクス、彼女が30年通った焼鳥屋、入院した野村病院、常宿にしていた「一力」の跡地(現在はソープランド)など、かなりのスポットが抜けている。

まじめに調査したのか?
映画見てピックアップしただけじゃないの?

僕の本も読んでいないか、あるいは読みはしたが知らないフリをしたか。
Mさんが写真を提供しているようなので、配慮した可能性もある。
「古横浜村からの〜」が楽しい試みを果敢にしているというのに、かなり遺憾なレベルだ。
これが「横浜市民クオリティ」なんだろうね。
かなり上から目線で書いてるけど、それくらいむなしい気持ちです。
「消えた横浜娼婦たち」、波紋一つ起こしてないんだね。

閲覧数2,344 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2009/09/23 20:38
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