短編集という位置付けなのかもしれませんが、長編としても読めます。 というのも、刑事物なのですが登場人物はほぼ同じで、様々な事件がそれぞれ違う人物に焦点を当てながら描かれているのです。もちろん、別々の物語になっているので、どれから読んでも大丈夫です。実際、すべてテレビドラマ化されているようですが、別々に放映されています。 ・沈黙のアリバイ (朽木班長) ・第三の時効 (森刑事)(楠見班長) ・囚人のジレンマ (田畑課長) ・密室の抜け穴 (東出刑事)(村瀬班長) ・ペルソナの微笑 (矢代刑事) ・モノクロームの反転 (楠見班長)(村瀬班長) それぞれに、とても味のある、そして個性豊かな、言い換えればクセのある主人公たち。その主人公が別の物語では取り巻きになり、その取り巻きも別の物語では主人公になったり。 ただ、舞台は捜査一課(強行犯捜査一係、通称「一班」、そして「二班」「三班」)が舞台となり、数々の殺人事件がを解明することになります。 それにしても、言葉ではあまり表現されない彼らの性格が、その行動で表現される描き方は、横山秀夫の得意なところですね。 『第三の時効』(Amazon) http://www.amazon.co.jp/gp/product/4087460193?ie=UT…4087460193 ★★★★★ |