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2009年12月04日(金) 
「若林ケン」というシャンソニエがいる。映画「ヨコハマメリー」で一躍有名となった永登元次郎さんが「わたしの神さま」とよぶ歌い手だ。

若林ケンが歌う「愛の賛歌」
http://www.youtube.com/watch?v=iKJc4INpdo0&feature=…r_embedded

彼は、なんと62歳でメジャーデビューしたのだという。シャンソンは若い人の歌ではないが、それにしても規格外である。

そんな彼が今年9月「あさき夢みし」というアルバムをリリースした。このアルバムは戦後、「新吉原」で働いていた遊女たちが残した「明るい谷間」という文芸集の「復刻プロジェクト」の一環。歌詞は手記原本を一切いじらず、オリジナルのままメロディーをつけたのだという。

シャンソンというジャンルには娼婦をテーマにした歌がいくつもある。若林ケン自身の実家も女郎屋だったという。そうした事実が積み重なって、このプロジェクトに興味を持ったそうだ。

さて、前置きが長くなった。

「消えた横浜娼婦たち」の読者の一人が若林ケンの知人だったらしく、拙著のことを彼に話したらしい。若林は横浜の娼婦の話はまったく知らなかったようだが、とても興味をそそられた様子だったという。そこで連絡をくれたその読者は、チャブ屋の説明をした上で若林ケンに拙著を一冊手渡してくれたのだそうだ。

ずっとこういう日が来るのを待っていた。

いわゆる「文化人」「有名人」が拙著を宣伝してくれるとは思わないし、期待してはいない。だが彼らの周りにはセンスの良い人たちが集まっている。理解のある人たちの間で認知されることによって、なにかが起こるかもしれない。

若林ケン
 ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%A5%E6%9E%97%E3%…1%E3%83%B3

追記
吉原遊女たちが残した詩の「復刻プロジェクト」は、阿久悠の弟分として知られるプロデューサー・河村シゲルが中心になって進めている。

閲覧数1,641 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2009/12/04 21:02
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