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2012年02月02日(木) 
先日、関東ローカルのニュースで
被災地からの「がれき受け入れ問題」についての神奈川県民集会を報じていましたが
とても福島県や東北の人たちには見せられないものでした。

というのも
冷静な議論が行われず
県知事に罵詈雑言をあびせかけ
しまいには「帰れ」コールをしているありさまが映し出されていたからです。
(関東に避難している人たちは、これを見て、どう思ったことでしょうか)

ここで騒いでいた人たちからは、残念ながら
「わたしたちの使う電気のために東北の人たちに多大なる迷惑をかけた」
という自責の念や配慮がまったく感じられませんでした。

(京大・小出先生は「原発を止められなかった」自責の念をくりかえしおっしゃっています)

たしかに放射能は怖いものです。
「じぶんの子どもたちに万が一のことがあったらどうしよう」
と、考えるのは当然です。

でも、その放射能は、わたしたち関東に住むものが使う
電気のために生じたものです。

福島県の仮設住宅に入っている人が

「こんな電気なんか使えるか!
 あっ、これは東北電力の電気か」

と、言っているというブラックジョークを
福島の人から聞いたことがあります。

事故を起こした福島第一原発は
関東に電気を送るためにつくられたものであって
東北に電気をおくるためにつくられたわけではありません。

東京電力を使い、電気の恩恵を受けてきた者には
東北の人たちに迷惑をかけた道義的責任があるはずです。

じぶんや、じぶんの子どものことばかりを心配して
東北(とりわけ福島)に住む人や子どものことを心配しないのでは
エゴイズムと言われても仕方がありません。

いや、むしろ
「放射能は東北に押しつけておけば、ええ」という
地域差別です。

       *   *   *

がれき受け入れ問題は、これまでの経験や実績から
もっと冷静な議論ができるはずです。

たとえば
東京23区の清掃一部事業組合は、煙突から出る煙の放射線調査を定期的におこなっていますが、放射性物質は検出されていません。
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/topics/haigas.htm

工場内の空間放射線量は、江戸川区なみです。
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/topics/data/h…240111.pdf

宮古市からの試験的受け入れの結果もシロでした。
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/topics/onagawa.html

たしかに、日常的なごみを燃やしていても
焼却灰からは放射線が検出されています。
それでも、
煙突から放射能がまきちらされることはない、
と言えるでしょう。

というのも
清掃工場には、排ガスからダイオキシンなどの微粒子を取りのぞくための
バグフィルターが取り付けられているからです。

バグフィルターは、高熱に弱いことから
排ガスは、あらかじめ200℃以下に冷却されます。

燃焼炉で気化していたセシウム(沸点641℃)は
このとき液化し、他のダストにくっつくことになります。
そのダストをバグフィルターが除去しているわけです。

いま神奈川県に必要なことは、こうした清掃工場の監視と情報公開でしょう。
相模原市や横浜市の清掃工場では
ダイオキシンなど、通常の公害規制に関する監視情報さえ
公開されていないからです。

住民としては、こちらのことも
本来は大問題のはずです。


(最終処分場については、たしかに検討の余地があります。
 横須賀市の処分場は地肌が露出していましたから。
 管理型処分場にすべきでしょうね)


たしかに汚染された焼却灰を長く保管することには
―たとえどのような最終処分場であれ―
リスクが伴います。

しかし
そのリスクを引き受けることで、はじめて
わたしたちは福島の人たちと連帯できるのだと思います。

閲覧数3,474 カテゴリ日記 コメント1 投稿日時2012/02/02 14:23
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