7月5日、午後2時30分。 ふたたびZAIMに姿をみせた、泉谷しげる。 黒いTシャツに野球帽。 ここに座ろうか、と表通りに面したカフェの木陰にある布張りのイスに座った。 梅雨の合間のまぶしい青空に、横浜スタジアムからドッと大歓声がひびく。横浜VS阪神戦、六甲おろしも聞こえてくる。 「なんだ横浜負けてんのか、しょうがねえなあ。飛び入りで応援でもしにいくか(笑)」 6月13日からスタートした、ロードオブライブ。 アイスコーヒーを飲みながら、浦安・三社祭の合間に川べりで強行したライブの様子を、くわしく語りだした。 「オレをもっと悪用しろよ。当たり前の場所でやってもつまんねえだろ。苦労してさがしてきて、交渉して、それでやっとできたってほうが面白えだろ」 悪用、にはいろんな意味がある。 ‥したたかに、いろんなツテも使って、オレの名前も、ときにマスコミも巻き込んで、やりたいと思うところで、みんなが応援してくれるんなら、やっちまおう‥。 きれいで派手な舞台はオレには似合わない‥。 「みなとみらいは、東京のお台場みたいなもんだ。もともとある横浜らしい場所で、町の衆と一緒んなってやりたいんだよ」 「やるからには、そこに住んでる人たちに来てもらいたい。その町とトコトンかかわりたいんだ」 「横浜開港150周年もおんなじだろ。その先に何かがあるから、そこに向かっていくんだろ。その場で終わっちまうもんじゃねえだろ」 ロードオブライブ。 今年5月に還暦をむかえた泉谷の、何年かかっても「やる」ときめたライフワークだ。 町に歌をとりもどしたい、という思いを淡々と語る。 そこには毒舌もなければ、タレントでも俳優でもない、素顔の歌手「泉谷しげる」がいたように思う。 「またロケハンに来るからよ。これからもう一軒まわってくるんだ。じゃあな」 ●泉谷しげるメッセージ(浦安・三社祭) http://www.wagasha.co.jp/pages/messages/message_new…ge_79.html |