前回の続きです。
次の日英語のクラスで、彼女は先生に話しがあると言った。
そして、夫から虐待されていると訴えて泣いていた。
パナマからマイアミに移った時、「アビュース」abuseと言う単語をとにかくよく耳にしていた。
それ迄その言葉の意味を知らなかったので、一体どういう意味だろう?と思っていた。
それは「虐待」という意味だった。
アメリカではその頃それが大きな社会問題になっている様だった。
ある日彼女は、「次の英語のクラスはニューヨークに行くから休む」 と言っていた。
彼女と会ったのはそれが最後だった。
彼女を最後に送ったその日、彼女に電話が掛かって来た。
男性の声で、ペルシャ語の様だった。私が「ご主人?」と尋ねると「知り合いだ」と言っていた。
そして、彼女は消えた。
その後、思い出した時に電話をしても電話には誰も出なかった。
そして、家にはしばらくの間無言電話が掛かって来る様になった。
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