本日、登記謄本(履歴事項全部証明書)ができあがってきました。
地元の司法書士さんの事務所を訪ねたのが、11月21日。そこから打合せ、書類集めをはじめて、登記申請(会社設立日)は12月11日。申請から約1週間で登記完了しました。
準備には時間がかかりました。夏からいろいろ考えはじめたので約5ヵ月。
不況の嵐のまっただ中、こんなときだからこそ?潰れにくい会社をつくってみようと。
専業で成り立たせるにはまだ無理があるので、兼業ではじめたいと考えています。
これからの時代、個人の年収は下がる一方でしょうから、
複数の仕事をもつことは、しごく当たり前になると思っています。
しばらくは兼業農家のような、「兼業メディア会社」になる予定です。
「会社をつくること」はそう滅多にないことなので、覚書を残しておこうと思います。、
●どこで何をするか、何がしたいか…
社名は、「メディア0468 合同会社」(LLC)としました。
「地域メディア」という仕事をつくりだすための会社にしたいと思っています。
あえて横文字を使えば、「ソーシャルアントレプレナーシップ」(社会起業)。
できるだけ沢山の若い人が参加できて、自由と責任と権限をもって仕事ができるような仕組み。
少人数チームでも継続的な仕事をするためには、やはり法人格が必要なのと、
少ない資本でもはじめられるLLCという新しい仕組みに、魅力をかんじたことも理由のひとつ。
いちばん時間がかかったのは、事業の目的と計画、商号をどうするかでした。
地元関係者やパートナーと相談を繰り返しながら、
次のような形がだんだんとみえてきました。
「メデイア0468合同会社は、地域情報を発信する新しいメディアをデザインし、地域資源や人材を活用して、さまざまなメディアを創造することで地域の魅力を引きだし、地域コミュニティの活性化をサポートする会社です。
1.ネットワーク型web新聞の編集,配信
2.横須賀の街,商店街の魅力を発信するwebサイトの構築
3.地域に密着した中小企業の広報サポート
4.ホームページの制作,地域情報の出版事業
5.地域コミュニティの活性化を推進するイベントの開催及びそのインターネットによる配信
6.地域社会に貢献するインターネット放送局の推進,運営
7.NPOや関連メディアとも連携した地域コミュニティのソリューション事業 」
●LLCという新しい会社形態
LLCとは、Limited Liability Company(有限責任の会社)の略ですが、
70年代後半にアメリカで生まれた会社形態で、90年代に急増して起業の起爆剤といわれました。
2006年5月に新会社法が実施され、国内法に合わせたため「日本版LLC」といわれています。
以降の新規登記で個人がつくれる会社組織は、株式会社・LLCぐらいになります。
(LLPというのもありますが、事業組合となります)
LLCで特徴的なことは、1人からでも設立でき、資本金も1円からOK。
まあ、さすがに1円資本では信用が得られないので、それなりに資本金は必要。
社員が出資者となり、取締役会を必要とせず、社員の合意により自由度の高い運営ができること。代表者は社長という呼び名ではなく、「社員代表」という呼称を使います。
従来の会社制度に縛られず、「フラットな組織」だといえるかもしれません。
独立起業にも、兼業で何かを行なうにも適した会社形態だと思いました。
(LLC設立登記関係書類一式)
●LLCの設立費用
今回会社をつくるのにかかった実費は、登録税6万円を含めて諸費用全部で12万円。
(電子定款申請にしたので、印紙代4万円が浮きました)
(+資本金。資本金は当面必要な費用を計上します)
ネット代行会社(代行費用2~4万)に依頼すればもっと安くできますが、
自分ですべての書類を用意するには、労力も時間もかかります。
新会社法を勉強することも大切ですが、申請書類の煩雑さ、商号や定款で使える用語など、何日も調べて分からなかったことが、司法書士さんに相談すれば30分で解決することもありました。
地元の信頼できる司法書士さんを紹介して貰えたので、スムーズに申請できたと思います。
(司法書士さんには、すこし無理をいって手数料を値引きしてもらいました)
資本金について。
現実的な計算をすると、小さい会社でも年間200~300万の予算がかかりますが、
そこまで資金が集まるのを待ってもタイミングを失することもあるので、
小資本で設立可能なLLCのメリットを優先させることにして、、
今回は当面かかる費用を計算して、数分の1の資本金で設立しました。
●LLC(合同会社)設立登記・手続の流れ
商号、事業目的、資本金、社員など、
会社の基本事項の決定、会社実印の発注
↓
類似商号の調査
定款の作成
↓
資本金の払込(社員代表の個人口座へ)
↓
管轄の法務局へ登記申請(申請日が会社設立日になります)
↓
登記完了(申請日から約10日後)
↓
新会社の登記事項証明書、会社実印の印鑑証明書、
印鑑カードを法務局から受領
●新会社をつくるヒントになったこと
新会社をつくるうえで、いろいろ調べましたがいくつかの現場を訪ねたことがヒントになりました。
地元での市場調査をしながら、夏に京都へ2回、秋には大阪へも行きました。
「京都メディフェス」に参加して、各地の地域メディアや市民メディアの様子を垣間見たこと。
とりわけ、京都三条ラジオカフェ(コミュニティFM放送局)の運営の仕方を、スタジオ見学も含めて創設メンバーや現場スタッフからも、じっくり聞けたこと。
NPOと株式会社の分社化と連携~市民がスポンサーになって自ら番組制作をする仕組みなど、大きな刺激をうけ、土地柄や条件の違いもあるので同じようにはできないにしても、その取り組みは尊敬できるもので、新鮮にかんじました。
http://sns.yokohama150.jp/blog/blog.php?key=6865 (市民メデイアができるまで)
http://sns.yokohama150.jp/blog/blog.php?key=8155 (京都ストリーミング72時間)
メディア0468では、2009年度に3つのプロジェクトを立ち上げたいと思っています。
(長くなりましたので、続きはまた)
誰でもその気になれば、会社ってつくれるものですね。
アドバイスしていただいたみなさん、ありがとうございます。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
(会社づくりの参考書)
「1円起業~成功の7つのポイント」大橋周治著、祥伝社刊
日本能率協会顧問で、知り合いのコンサルタントさんの本です。