前原国交相の羽田ハブ化発言、波紋が起きていますね。そりゃそうでしょ、成田空港にかかわる周辺自治体および千葉県の血のにじむような苦労話は、今で語り草になっていますからね。 そもそもハブ空港って何だという話ですが、 自転車のリムの中心、これをハブというんですね。 ハブからのびる無数の細い棒がスポーク。ハブ&スポークシステムなんて今日の航空業界ではこうよぶ。 日本の地方都市から海外の地方都市へ飛ぶ場合、地方空港→羽田→成田→海外の主要都市→地方都市と都合3本の飛行機を乗り継いでたどりつく、これをハブ&スポークシステムという。 IBEX(フェアリンク)なんかは、仙台→成田つないでますけど・・・・。 このハブ&スポークシステムっていうのは、機体の大型化が進む中で整理されてきた考え方なんですね 大都市と大都市を運ぶのは大きな航空機(たとえばボーイング747、777やエアバスA380など)、大都市から地方都市へ行くには小型機(たとえばボーイング767,737、エアバスA321、A320、ボンバルディアなど)が担う。それは一昔前の技術では国際線のような長距離高高度路線を飛行するにはそれだけの飛行能力が必要で、大型機にしか飛べなかったから。 がしかしですね、 ここからが味噌なんですが、今、航空機業界はどちらかというと航空機のトレンドは中小型機にシフトしつつあります。 ここの話には、EUのエアバス社とアメリカのボーイング社とでは読みが大幅に違っていまして、エアバス社はエアバスA380のような超大型機、これはつまりハブ&スポークシステムが持続すると読んでいます。対してボーイング社はボーイング787のような中型機の需要が増すとよんでいます。これは、エアバスの読みとはま逆となり、これは地方都市と地方都市をダイレクトにつなぐ(もしくは主要都市と海外の地方都市、海外の主要都市と国内の地方都市を)ポイントtoポイントという形式へ転換すると読んでいる。 性能が上がり中型機の燃費向上、搭乗率のUPなど今日の経済事情ではボーイングのほうに分があるといわれており、787が817機の受注に対してA380が206と伸び悩んでいる。 と、航空機の世界ではどちらかというとハブは必要なくなってくるのである。 ボーイングもA380に対抗して747の次期モデル747-8の開発を進めているがこちらの実績はいまいち 次に、アジアにおける日本の地位、世界におけるアジアの地位が今後も今のままであり得るのかという点が心配だ。 アジア・太平洋地域では1日にして8300便以上が飛行しており、120万人を輸送していることになる。これが今後20年間年率平均6.5%で増加し続けると予想しており、10年後には世界最大のマーケットになる。これはその裏で経済的地位の地位向上があるということを意味する。 現在、アジア・太平洋地域では3910機の航空機が存在するのだが、20年間で11170機と約3倍になるといわれている。そしてそのうち増加デリバリー分の5600機(半分以上が)中型機であると予想されている。この増加分の80%以上は国の成長ではなく、地域の成長によるものとされている。地域と地域もしくは地域と海外主要都市を結ぶというのが常識になるのだろう。 今、多くのビジネスマンがロンドンに飛ぶのに最も効率の良い手段として多く用いられているのが羽田→仁川(ソウル)→ロンドンとソウルでトランジットする方法である。仁川国際空港は41万回の発着枠を持っており(成田のおよそ20万回増)、「国際空港評議会」(ACI、本部はジュネーブ)による2008年「空港ランキング」の総合評価部門で4年連続の「世界最優秀空港賞」に選ばれ、国際貨物量においては2006年に成田空港を上回って世界2位です。2020年をめどとする整備が完了すれば空港総面積は成田空港の5倍の4743ヘクタール、滑走路は計4本、発着回数48万回、年間旅客数1億人、貨物量700万トンという巨大空港が誕生します。更に着陸料は現在で成田空港と比べ約4分の1程度でアジアから欧米向けの製品を輸出する場合には成田よりも仁川を経由した方が物流コストを大幅に節減できるようになっています。 というように仁川が日本にとってのハブ空港の役割を果たしており、これは韓国の戦略といえます。仁川国際空港行ったことありますか?24時間眠らない街ですよあれは。乗り継ぎが楽しいです。 現在、仁川には3本(3750が2本、4000mが1本)、成田には2本(2180mが1本、4000mが1本)、羽田には3本(3000m2本、2500mが1本)の滑走路があります。 滑走路っていうのは、一本の道ですから、リバースも使える。つまり、仁川には6通り、成田には4通り、羽田には6通りあると思いきや、羽田は残念だがら周辺住民の騒音問題により4通り(着陸の場合、離陸では5通り)と限定されしまう。これは残念。 鳩山首相は90年比で25%の温室効果ガス削減を発表したわけですし、空港から温室効果ガスを出すのは韓国にお任せしたほうが得策な気がするのですが、どうでしょうかね?そもそもハブ空港が必要なくなるかも知れないわけですし。温室効果ガス、航空機需要の予測、コストなど、トータルに見ると、日本にハブという考え方は根付かないのではないだろうか。いずれにしても、前原国交相の発言は時期尚早。経済界、自治体、航空業界など広く対話をする必要があったといえる。 森田知事も、あまり暑くならずに、「ハブが必要ですか?」ぐらいの余裕を見せれるとカッコよかった。まぁでも、ああ大臣に言われると、千葉は黙っちゃいられないよね。 別に千葉もこだわりはなかったろうに、この発言、最悪の墓穴を掘ったことになるのかもしれない。 |