メイン・ストリートのならず者/ローリング・ストーンズ アナログ・レコードでは2枚組として発表された作品だが 今ではCD1枚サイズ。 今日のストーンズに続く音楽スタイルを確立したのが 本作品。 実は1960年代のストーンズは ヒット・シングル以外では、 ほとんどアメリカのリズム&ブルースのコピーバンドでしかなかった。 (のちのブルー・アイド・ソウルに比べると もっと泥臭くて「コピー」と言ってあげたほうが 彼らも喜ぶのではないかと思うくらいだ) これが当時のバンドリーダー、ブライアン・ジョーンズの方針だったのだが 白人が黒人のまねをしても 想像力は生まれない。 やがてストーンズは行き詰まり ビートルズの「マジカル・ミステリー・ツアー」のまねをして 「サンディニスタ」では魔女のかっこをしたりする。 そんなことで成功するわけがない。 ブライアン・ジョーンズはドラッグにおぼれ バンドを脱退すると同時に死んでしまう。 残されたメンバーはどうするのか。 ミック・ジャガー&キース・リチャーズの 作曲チームは原点回帰をする。 しかし、ブライアンの呪縛は脱する。 ロックン・ロールに リズム・アンド・ブルースのブラス(管楽器)サウンドをのせる 今日に至るストーンズ・サウンドの誕生だ。 じつは、1970年代後半から'80年代にかけてのストーンズは 流行を取り入れ AOR(大人向けロック)のきらめきを取り入れたり 「It's Only Rock'n Roll」 ディスコサウンドをやってみたり 「Some Girls」「Black and Blue」 している。 ところが「メイン・ストリートのならず者」 流行に左右されないストーンズ・サウンドとして '90年代の「Steel Wheels」今世紀に入っての「Big Bang」に通じている。 だから、知られている曲は「ダイスを転がせ」「ハッピー」ぐらいなのに フォーエバー・グリーンに聞くことができる。 まもなく来日する彼らの原点として 聞いておきたい1枚だ。 |