天使も嘘をつく 作・演出:坂手洋二、出演:竹下景子、馬渕英里何、百花亜季他、制作:燐光群 会場:座・高円寺 沖縄の離島、隣り合う二つの町に同じようなメガソーラー開発問題があり、若いママさんグループが立ち上がる。そこへドキュメンタリー映画監督のヒロコ(竹下景子)が中年の映像カメラマンとともにやってくる。 調べてみると、若い市長の町はそれなりに地域の環境や住民の健康に配慮していることがわかる。 方や、年輩市長の町は、自衛隊基地招致のためのカムフラージュだった。 ママさんたちは地域の人たちとともに反対運動を「映画を作る会」の名前で始める。その中にいたサユリは、ヒロコ初の劇映画のヒロインに抜擢されながらパラグライダーの墜落事故で命を落としたマナにうり二つだった。 離島でメガソーラーができるのか、つくってもどこで電力を消費するのか、といきなり細かいことが気になった。本筋とは関係ないことではあったが、「仕事」柄、仕方がない。 自衛隊の基地問題に話がうつってからは、現在の辺野古(沖縄本島)で行われているアメリカ海兵隊新基地建設問題と話がダブる。沖縄がいきなり東京の中に引き込まれてきたと言っても良い。 ほかの女優さんの背が高いのか、「竹下景子ってこんなに小さかったっけ?」。背筋をピンと伸ばして、ドキュメンタリー監督を好演していた。 「努力すれば誰もが報われる」ことを登場人物が口にしながら、ハッピーエンドで良いのか。ミュージカル「レ・ミゼラブル」は最後にパリ・コミューンが挫折してしまうからこそ、登場人物の一人ひとりが輝いていたのではなかったか。 「天使も嘘をつく」という強烈なタイトルがあったから、感じたことかも知れない。 座・高円寺で27日まで。 29日 岡山市立市民文化ホール 12月 1,2日名古屋市熱田文化省劇場 4,5日 津市芸濃総合文化センター 8~11日 伊丹市AI・HALL(伊丹市立演劇ホール) |