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2016年02月20日(土) 
「暮らしやすさ」の都市戦略
 ~ポートランドに学ぶまちづくり

日時 2016年2月18日
会場 北沢タウンホール
主催 保坂展人と元気印の会・たがやせセガや区民の会

プログラム
訪問報告「ポートランドに学ぶ都市戦略」小林正美(明治大学教授)
「ポートランドは1970年代にドーナッツ現象のために中心市街地でも夜は物騒で歩けなかった」
「高速道路の反対運動をきっかけに、また30代の市長が誕生したこともあって
 住民参加でまちづくりが進められるようになった」

基調報告「世田谷区でめざす住民自治のまちづくり」保坂のぶと(世田谷区長)

「ポートランドもかつては造船など重工業の町だった。それが日本、韓国、中国に追い抜かれて、さびれていった」
「高速道路を撤去して流れが変わった」
「住民が反対するのではなく、新しいビジョン、都市計画をつくる、これがポートランドの特長」
「オーガニック・スーパーが多く、アメリカの一般的な消費形態とポートランドは違う」
「日本は、物質的には豊かなのに幸せ度は低いのはなぜか」
「家族のための時間、自分のための時間を切り捨てるのが、日本のビジネスモデル。
 それは現在も続いている」
「ポートランドの建物の8割9割がリノベーション。東京のまちづくりでも始めていいのでは」

パネルディスカッション
「暮らしやすさ」の都市戦略を語ろう

モデレーター:小林正美(明治大学教授)
パネリスト:宮台真司(社会学者)
      松尾貴史(俳優)
      藤村龍至(建築家)
      保坂のぶと(世田谷区長)

主な発言

・日本の若者について
「若い人はコミュニケーションから退却している。
 キャラを演じる割に実りが少ないから。
 彼らは、他人が何を感じているのか想像するのが難しくなっている」宮台
「最近の若者は、自分には選択肢がない、と感じている」松尾
「若者はみんな、もっと強欲になってよい」松尾
「自分が若いころは、宮台さんの言う「幻の郊外」に住んでいて、住んでいることが嫌で嫌で都心の学校に通っていたのに、
大人になって郊外の学校に着任し、郊外が現在抱えている問題と向き合っている」藤村
「昔はナンパの仕方を教えてくれる先輩がいたが、今の若い人は同性と仲良くない」宮台
「高齢者がナンパを伝授するのも一つの方法」宮台
「世田谷区将来ビジョンづくりで中高生の話を聞いた。これによって中高生が自主管理する施設が誕生した。意見をいうことで状況が変わる、これがわかれば若者も声をあげるようになる」保坂のぶと

・世田谷区の「まち」について
「下北沢や経堂には、ほかの店を紹介しあう文化がある。それが町の活性化につながる」松尾
「尊厳を守る(価値を守る)という観点で言えば、世田谷はサブカルチャー。
 自分で勝手にルールをつくって楽しんでいる。それを許容する世田谷であってほしい」松尾
「個人店の集まっているまちは魅力的」松尾
「下北沢にはひとを引き付ける臭いがある」松尾
「いろいろな人が集まる多様性がまちづくりには必要」松尾
「ヨーロッパでストリートといえば店のファサード(家・店の表)が中心。
 日本でストリートといえば車の走るところ。これは人間の劣化」宮台
「公共施設の無いものねだりから、地域資源あるもの探しへ、この転換は日本全国について必要」宮台
「超高齢社会に対応するにはまちづくり部局と福祉部局の連携が必要」藤村
「縦割りの弊害を住民は見ている。行政と横の繋がりが必要」保坂

・コミットできる人間にどうやったらなれるか、という問いに対して
「安心安全だけを言い立てるへたれ親を再生産しない」
「時には人は死ぬ、だから自分で気をつけよう」
「ちびまる子ちゃん的世界を取り戻す」
「何が幸せか、人間関係の中にある。人を幸せにする人だけが幸せになれる」
「他人のためには頑張れる」以上、宮台

「民度は急に高まるものでない。少しずつ学んでいけばよい」藤村

「新国立競技場コンペの恥さらしのデタラメさは、民主主義のプロセスを踏んでいないから」宮台真司
「新国立競技場問題は、コンペが始まる前に、さまざまな人が集まってワークショップできていれば違ったものになっただろう」藤村龍至
「政治家や議員が私たちより優れているなんて、ありえない。それが民主主義」宮台真司

「任せてブーたれる政治は価値が疎外される。一方、引き受けて考える、は価値の創造につながる」ともに宮台
「先進各国が民主主義の危機に陥っている。疎外された中間層が排外主義に陥り、政治がポピゅリズムに走っている」宮台

ワークショップでまちづくりの合意形成を図る「建築は民主主義の学校」藤村

・「ポートランドは住民を繋ぐのが上手い。世田谷で生かせないか」という質問に対して
 「ワールドカフェをやって世田谷区民にも協働を考えてぐれている人が相当いることがわかった」
 「住民と行政を繋ぐコーディネーターが重要」保坂
 「公園の地下駐車場の指定管理者をして経営の安定を図りながら地上の公園のマネジメントをする。ポートランドはそれに長けている」藤村、
 「 ポートランドに一番近い都市は大阪。リバースイート大阪は、阪神淡路大震災で学んだ人たちがまちづくりで活躍している」藤村
 「ポートランドの素晴らしいところは最初行政がリスクを負ったが、やがて住民もリスクを負うようになったところ」「世田谷区の課題は公共空間づくりで住民と協働できるか」藤村

・世田谷区役所立て替え学生ワークショップに対して
「公共建築を学生が考える、ということは、これまで建築家はやってこなかった」小林正美、

 休憩時間、世田谷区役所の建て替えについて学生たちが考えた4つの案
 「現状維持(内部改装)」「部分的改築」「中庭というコンセプトを残して建て替え」「全面建て替え、高層化」
 に、対して、参加者による投票が行われ、
 「部分的改築」が第一位となった。

 開票後、それぞれの予算金額が示され、
「部分的改築」は一番コストのかかる方法であることが明らかになった。

それではどうするか、は、なく
予算が投票行動に影響しないためにとられた措置であると思われる。

画像
ポートランドの市場
パネルディスカッション
世田谷区役所新庁舎案

閲覧数5,038 カテゴリ日記 コメント2 投稿日時2016/02/20 23:31
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コメント(2)
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