アメリカの市民活動の話を聞く会 2016年3月2日、見樹院 スティーブン・リーパーさん:広島平和記念資料館を運営する広島平和文化センターの前理事長 メアリー・オルソン:アメリカの核問題の市民研究者 ○リーパさんによるイントロダクション 「日本は福島を忘れたのではないか」 広島平和文化センター理事長を辞めてから日米を数ヶ月ずつ過ごす生活をしてきたが、 日本に戻るたびにそう感じるという。 そこで核の研究者であるメアリーさんに日本へ行く話を持ちかけた。 「メアリーさんと福島を回り現地の人たちから話を聞いた。 関西では別行動だったが、メアリーさんは関西で脱原発に取り組むアイリーンさんと福井を回った 「メアリーさんは25歳の時、実験事故で被曝している」 「メアリーさんは甲殻類アレルギーがあり、放射能も考えると日本は最も危険なところ。 それでも日本に来たのは伝えたいことがあるから」 ○メアリーさんの講演 「私は教育者だったが、311以降、核の研究者になった」 「放射能の基準を作るのは大人の男。女性はどうか、子どもはどうか、放射能とジェンダーについて追いかけている」 「米科学アカデミーの出した『放射線の生物学的影響』は広島長崎のデータがベースになっている」 「この本で女性について書かれているのはごくわずか」 「広島長崎の被爆者では、被爆当時0~5歳だった人が最も多く発ガンしている。 すぐにではなく大人になってから」 「女子は男子の2倍発ガンしている」 「女性の発がん率が高いのは生殖細胞は通常細胞の2倍、放射線の被害を受けやすいからだ」 「子どもは大人に比べて発ガン率が高い。男児は5倍、女児は10倍」 「女児の発ガン率は30歳男性の20倍」 「MOXの被曝による発ガン率は通常の核燃料よりも高い」 「20mSvを超えると発ガン率は高まる」 「医学的な回答が出るのには時間がかかる。 被災者救済のためには答えが出るのを待たないほうがよい」 「東電はデータ操作が上手い」 「日本の政策決定者に正しい情報を伝えるのは大切」 ○福島の人たちについて 「一番大切なのは福島の被爆した人たちに寄り添うこと」メアリー 「南相馬で会った女性は髪が抜けて皮膚病がある。広島で見た被爆症状と同じ。なのに本人はストレスが原因と思っている」リーパ 「現地の病院関係者は『放射能の影響』とは言えない。政府からプレッシャーを受けているからだ」リーパ ○日本政府が福島から避難している人たちを帰還させようとしていることについて 「犯罪とは言えないが、道徳的には問題だ」メアリー 「日本政府の帰還運動のために、いつか問題が爆発する。戻った人は病気になる」リーパ 「福島で除染作業している人が出入りしているコンビニのマットのホコリを採取して調べた。 放射線量がとても高い」リーパ ○リーパさんのまとめ 「放射能のことはわからない。自分の直感を信じるしかない」 「原発は中央集権的20世紀型構造。これからは地方へのパワー分散型の時代。 放射能はそのことを教えてくれる」 ○メアリーによる日本への提案 1、自主避難の権利は大切 2、原発は再稼働しない。自然エネルギーに投資する 3、放射線被曝者が医療を受ける権利 (一部、発言の順番を整理してあります。) |