エリック・クラプトン コンサート評 2014年2月21日、日本武道館 ほぼ定刻通りステージに姿を現したクラプトンの歩みは よたよたとして老人そのもの。 それが、ひとたびギターを手にすると パワフルそのもの。 ときにはチョーキングし (ギターネックの弦を指で引っ張って音程をあげる奏法) ときには音をひずませて、 スピーカーがうなり声をあげることも。 呼応するかのように スティーブ・ガットのドラムスも 重低音をとどろかせている。 ツアーのポスターには1970年代の若きクラプトンの 写真があしらわれていた。 今回は当時を彷彿とさせる 大ブルース大会。 ディレク&ドミノス時代の「Key to the Highway」 「Tell the Truth」 マディー・ウオータースの「Hoochie Coochie Man」 と 前半から70年代ブルースの熱演。 対照的に、代表曲「Wonderful Tonight」は 前半のラストで、さらっと流されてしまった。 中盤は、1990年代に評判となったunplugged。 (生ギターによる演奏) 代表曲「Layla」もここで披露。 後半ふたたびエレキを手にして やはりブルース。 今回はゲストとしてキーボードにポール・キャラックが参加 ポールの歌うソウル・ナンバーも数曲あった。 ソロでもギター>エレピ>キーボード>ギター と、回していく。 (エレキ・ピアノはツアーメンバーのクリス・ステイトン) クリーム時代の代表曲「Crossroad」は大胆にアレンジが変わり イントロでは「何の曲だっけ?」。 ロックがエンタメ化して レコード・CDと全く同じアレンジで演奏する バンドが多い中で インプロビゼイション(即興演奏)を重視。 時折激しい演奏も聴かせてくれて 「ブルースはハード・ロックの母」を改めて実感 1960~'70年代の空気を今に伝えた すばらしいコンサートだった。 「すっきりした」というのは コンサート直後のかみさんの感想。 そうだよ、若い頃はすっきりしたくて ロック・コンサートに行っていたもんだ。 演奏が終わるとクラプトンは老人に戻り よたよたと楽屋に引き上げていった。 |