「日本の工場でつくっている冷凍ギョーザだから安心」と 消費者には思わせておいて 実際には、強力な農薬を使っているのが疑われる 中国産野菜を原材料に使う。 このようなことが、私たちの身の回りで起こっています。 「地球にやさしいヤシの実洗剤」は、 再生可能なヤシの実を原材料に使っていることから 石油を原材料とする他の洗剤に比べれば 「地球にやさしい」と宣伝されています。 ヤシの実を原材料に使ってはいますが ヤシの実油からつくられているのは 石油由来の洗剤とおなじ界面活性剤です。 界面活性剤は下水処理場で処理しにくく 魚のえらを破壊することから 石けんよりも環境負荷の高い化学物質です。 また ヤシのプランテーションを拡張するために 東南アジアの熱帯雨林が破壊されてきました。 (くわしくは第三章で紹介します) このように、実際には地球に迷惑をかけているにもかかわらず 「地球にやさしい」と宣伝することを グリーンウォッシュと言います。 アメリカの故ケネディ大統領は、1962年、アメリカ議会に対して 「消費者4つの権利」を提案しています。 「4つの権利」とは、 知る権利、選ぶ権利、安全を求める権利、意見を聴いてもらう権利 のことです。 グリーンウォッシュは消費者から「4つの権利」を奪うものです。 国内産冷凍ギョーザの例で言えば、 原材料原産国について、 消費者の知る権利が制限されて (ネット弱者からは奪われて) 国産原材料からつくられた冷凍ギョーザを買いたい消費者の 選ぶ権利や安全を求める権利が ないがしろにされています。 「原産国を開示してほしい」という消費者の 意見を聴いてもらう権利も ホームページ上の公開で かろうじて守られているだけです。 (法律上は開示する義務はないので 食品メーカーが消費者の声を聴いたかたちになってしまいます) それでは、アメリカ産牛肉の輸入再開で「4つの権利」は守られたか TPP関連の日米2国間交渉で「4つの権利」は守られたか とても心もとない状況です。 |