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2014年08月08日(金) 
2014年7月30日、京都市美術館

まず、東京展とはポスターがまるで違うことに驚かされる。

目のやり場に困る≪夢見るテレーズ≫を前面に使った東京展。
絵の隅で暖炉に薪をくべる男の後ろ姿が不気味な
≪美しい日々≫を上下の白地ではさんだ京都展、
上は黒文字で「バルテュス展」
下は赤文字で「Balthus」
トップには「『20世紀最後の巨匠』再び、京都へ。」のコピー。

東京展では食指をそそられなかったが
京都展は即決で会場に入ることにした。

バルテュスがモチーフとしたのは
少女特有の一瞬の美。

1980年代にブームとなった
篠山紀信の「激写」と共通する。

パンフレットでは紀信が
「写真嫌いなバルテュスがなんとぼくをアトリエの内部に招き入れ、
撮影を許可してくれた」と語っているが
バルテュスも紀信に共通するものを感じ取ったのかもしれない。

テーマは一貫しているが
作風に共通性はない。

え!? これ全部おなじ人が描いたの?
日本人の節子夫人と結婚してからは
日本画風の作品まで描いている。

そんななかで
バルテュスが子供時代に描いた猫と自分の連作
ブロンテ「嵐が丘」の挿絵連作
と、ストーリー性のある絵が目を引く。

そういう意味で
ソファにしなだれかかって鏡を見ている少女のかたわらで
暖炉に薪をくべているワケあり男の姿を描いた
≪美しい日々≫をポスターに使った京都展は
正解だろう。

閲覧数6,728 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/08/08 21:42
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