★ある美術団体が編集した「年鑑」のために書いた文章です。

POWER OF THANKS

　『神との対話』という本がきっかけとなって、この作品が生まれた。その中で最も印象的だった一節”感謝の力”を表現しようと試みたのがこの作品だった。
　その内容を簡単に説明するとこうなる。神は人に「神と同等の創造力」を与えた。その力とは私達の望みを宇宙にオーダーし、それを実現する非常に強力な力だ。私達の多くは「私は～が欲しい。」とオーダーする。つまり祈る。しかしその場合、残念ながら私達の欲する事が叶えられることはないという。何故なら、宇宙は私達の考えや言葉をそのまま忠実に実現するしかないので、「欲しい」という状態、つまりまだその目的が達せられていない状態を宇宙は実現するしかないからだ。例えば「私は幸せになりたい。」と祈ったなら幸せを欲している状態、つまりまだ幸せに至っていない状態が与えられるという。
　では神が言う創造力を使い、欲する事を実現するためにはどう祈れば良いのか？そのためには「感謝する」ことが必要不可欠なのだという。感謝するとは、祈りが実現することを一切疑わない状態、つまり願いは叶うと認めることであり、神を信頼することだという。そしてその時はじめて、宇宙は私達の欲する状態を実現することが出来る。具体的にその祈り方を書くなら「私は幸せだ。ありがとうございます。」になる。この祈りなら私達の欲する事、つまり「幸せ」が実現する。これを読んだ時、僕は目から鱗が落ちるような思いがした。そして僕はこの作品を制作せずにはいられなくなった。
　もし人類が霊的な進歩をとげ、すばらしい世界を築き上げるためにこの創造力を使ったなら、一瞬にして飢餓や貧困、戦争さえもなくなるという。何て感動的なことだろう。もしあなたもこの想いに共感してくれるなら、一緒に祈ろうではないか。「私達は世界を変える。”ありがとうございます。”」と。


↓作品写真 「POWER OF THANKS」