徳島地域エネルギーの豊岡和美さんは、もともとふつうの主婦でした。 徳島で吉野川の可動堰が問題になった時 「この地域を子供たちに伝えていくのに、 自分は何もしなくてもいいのか」 と、考え、 住民投票の運動に参加されたそうです。 「投票率が50%を超えなければ開票しない」 という厳しい条件がつけられた住民投票でしたが みごとに投票率は50%を超え 投票した人の過半数が 「可動堰NO!」の意思を示しました。 豊岡さんは住民投票の余勢をかって 徳島県議会選挙にも出馬 当選して 1期4年間を務められました。 その際 議会が可動堰を進めようとしたのは 「可動堰をつくることで地元にお金が落ちる」という 経済問題が根底にあることに気づいたことから 経済のグリーン化に取り組むことになったそうです。 環境省の委託事業を使い 産官学民で地域のエネルギー開発を研究しましたが 「勉強しているばかりでは意味がない」 と、事業化のための社団法人を立ち上げました。 「エネルギーと食料さえあれば 日本がどうなろうと自分たちは生きていける」 豊岡さんの言葉に現代の「下剋上」が見えます。 (小林秀雄は、下剋上を「デモクラシイトモイフ」と書いています) 豊岡さんたちの始めた「佐那河内みつばちソーラー」は 徳島県佐那河内村に設置する太陽光発電所に寄付をしてくれた人たちに 売電利益から佐那河内の特産品を「お返し」するものです。 全量買い取り制度(FIT)が始まってから 全国でメガソーラーがつくられました。 その多くは大企業の資本で作られたもので 発電所がつくられた場所には固定資産税がわずかに落ちるばかりです。 その点、「みつばちソーラー」は売電利益によって地元の特産品が売れ、 地元の経済が活性化する仕組みになっています。 もとより太陽光発電に寄付した人の多くは 見返りなど期待していないはずですが (見返りを期待する人は投資型のものに出資するはずです) 毎年なにがしかの特産品が送られてくるとすれば これはこれでうれしいに違いありません。 お金がお金を生む投資は違うお金の使い方、 これも女性がキーパーソンであればこそ という気がします。 |