3月1日、東京・三田の建築会館で 「雨水活用からはじめる水循環」と題した シンポジウムがありました。 従来、雨水を貯めて、 庭の水遣りや洗車、防火用水などに使うことは 「雨水利用」と、言われてきました。 これを一歩進めて 降った雨をその場で使い切る、あるいは 天や地に返すことで ゲリラ豪雨に対する備えとする 「雨水活用」を建築学会では提唱しています。 日本の河川や下水道は毎時50mmの降雨に対応できる と、言われていますが、実はこれは 降った雨の1/2が地下に浸透することが前提になっています。 表土がほぼ100%コンクリートに覆われている都市部では 30mmの雨でも下水道が排水できなくなり 水が道路にあふれ出してしまいます。 加えて、地球温暖化の影響で 毎時50mmを超える降雨も珍しくなくなってきています。 大量に降る雨を貯めて トイレの流し水、洗濯などの生活用水として 水道に準じるものとして使い切ってしまおう これによって都市洪水を防ごう というのが「雨水活用」です。 シンポジウムでは 実際に雨水を洗濯用水につかっている早坂悦子さんから 「雨水は石けんかすが出ないので 使う石けんの量が少なくてすむ」 という報告がありました。 一般には「雨水は汚れている」イメージがありますが 大気中の汚れは、降り始めの2~3mmに含まれていて あとは純水が降ってくることが知られています。 大西和也さんは、雨水を使っているお宅のタンクから採取した 水に含まれているものを水道水の水質基準で検査したところ 「井戸水であれば『飲料適』となる結果が得られた」と 報告しました。 雨水活用を進めれば 遠くのダムからわざわざ水道水を引いてくる必要がなくなる。 そのことは、まちがいありません。 |