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2014年04月11日(金) 
政府の発表したプレスリリースからも
BSE(狂牛病)問題に対する日米の考え方の違いがわかります。

2010年9月にサンフランシスコでひらかれた
「米国産牛肉に関する日米間の技術的会合」
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/100916.html

アメリカ側の出席者は
農務省動植物衛生検査局主席獣医官(獣医師官僚のトップ)と
同省食品安全検査局副局長(事務官僚)
だったのに対し、

日本側出席者は
農林水産省消費・安全局動物衛生課首席獣医官(獣医師官僚のトップ)と
厚生労働省食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室長(事務官僚)
が、出席しています。

アメリカ農務省も農林水産省も、生産者サイドで
牛肉の安全管理を行う立場ですが

厚労省は、消費者サイドで
食品の安全を監視する立場です。

(心情的に言うと、厚労省は
「狂牛病の肉を食べて病気になられると医療費が増えて困る立場」
 ですが、それでも消費者とは利害が一致します)

アメリカ側に消費者サイドの官僚が出てきていませんが
アメリカでは日本向けに特別な処理や検査が行われているからでしょう。

(アメリカとしては、アメリカなみに日本を規制緩和して
 特別な処理や検査を減らしたいわけです)

この会合の概要を見ると
アメリカ側からの説明として
「歩行困難牛の食肉処理が2009年に一律に禁止された」と、
あります。

アメリカでは歩行困難牛から抜き取りでBSE検査が行われていることを
前々回のブログで報告しましたが
この資料を読む限り
2008年までは、アメリカでは歩行困難牛が食肉処理されて
市場に出回っていたことになります。

見方によっては
歩行困難牛の肉を食べてもヒトは病気にならずにいられるか
壮大な社会実験がアメリカでは行われていたことになります。
(一律禁止からまだ5年ですから実験は進行中です)

「このようなことがどうして許されるのか」
日本の消費者なら考えます。

「歩行困難牛でも危険部位を除去すればBSEプリオン
(原因となるタンパク質)は出ない」
「コストをかけて育ててきた牛の肉が市場に出ないのは社会的損失だ」
という見方もできますが

これは明らかに資本の論理です。


この会合資料を読んでいて、思い出したことがあります。

まだ20代の頃、鋳物工場で働いていたときのことです。
アメリカ向け飛行機部品の検査をしたところ
寸法がほんのわずかですがはずれて
1ロット全品不合格になってしまったのです。

これを主任が検査したところ
すべてが図面寸法の許容範囲に収まり
合格となったのです。

生産者サイドに立ったBSE検査では
このようなことが日常的に起こってしまうのではないでしょうか。


この会合では、日本側から
「2009年4月から(略)検査対象が21か月齢以上に引き上げられたあとも、
地方自治体による自主的な全頭検査が行われている」
と、説明がありました。

この2010年の会合の後、「日米間の技術的会合」はひらかれていません。

「日本におけるBSEの発生は2009年2月以降見られていない」のに対して
アメリカでは2012年にも1頭発見されています。

2013年のアメリカ産牛肉輸入解禁と
地方自治体による自主的な全頭検査中止が
アメリカの圧力に「屈した」政治判断だったことがわかります。

(つづく)

閲覧数1,202 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/04/11 12:21
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