アメリカから牛肉を輸入することには BSE(狂牛病)とは別の問題があることが知られています。 東京大学生産技術研究所沖大幹教授らの研究グループによると 牛肉100gをうるのに必要な水の量は約2m3(約2トン)にもなります。 実際に牛が飲む水の量だけでなく 資料となるトウモロコシや小麦などの穀物を育てるのに 水が必要だからです。 沖教授らは、2000年にアメリカから輸入された牛肉に要した水の量は 約95億m3に登るものと試算しています。 とほうもない量の水が、日本に輸出する牛肉のために使われていることがわかります。 ちなみに、 アメリカ大使館の資料によれば アメリカで最も牧場の数が多いのはテキサス州で その数は1,330万と 第2位のニュー・イングランド州625万の2倍以上です。 テキサス州の州都オースティンに降る雨の量は年間870mmと、 日本の平均降雨量1750mmのほぼ半分です。 テキサス州は面積が広いため、 地域によっては年間降雨量が1,000mmを超えるところもありますが 500mm前後とオースティンよりもはるかに少ない 日本の3分の1しかないところの方が多いのが実情です。 しかも、2012年からアメリカでは干ばつが続いています。 2012年の干ばつはアメリカ国土の60%以上に及び 水不足・飼料不足で畜産農家が牛を手放したところも 数多くありました。 今年の干ばつでは、 早くも農作物の作付けをあきらめた農家もあることが 報じられています。 地球温暖化(気候変動)がさらに進めば アメリカの干ばつがさらに新穀になることが予想されます。 TPPにともなう二国間協議では、 牛肉や豚肉の関税引き下げを日本に強くもとめたアメリカですが 実はアメリカ自身、今後牛肉・豚肉の輸出を続けられるかわからない 問題を抱えているのです。 (地球温暖化を否定するアメリカの人たちは 干ばつの影響が深刻になるとは認めないでしょうけどね) 日本の消費者としても 水不足のアメリカから 大量の水を必要とする牛肉を買うことが良いのかどうか あらためて考えてみる必要があります。 |