TPP交渉では、お米、牛肉・豚肉の関税引き下げが焦点になっています。 「消費者は安く牛肉を買うことを望んでいる」 と、言う人もいますが、 安ければ、それでいいのでしょうか。 農林水産省の資料によれば 1985年(昭和60年)、日本の農業就業人口は約543 万人 田畑の面積も5,379 khaありました。 (農業就業人口は、専業農家と 兼業農家のうち農業の比率の高い農家の人口です) その後、ガット・ウルグアイラウンドなど 貿易の自由化が進み、 安い農産物がたくさん入ってくるようになるにつれて 農業就業人口は減少し、 2010年には、半分の261 万人 田畑の面積も4,593 khaにまで 減少してしまいました。 これまでも、農産物の不足分は輸入でおぎなってきましたが 安い輸入品がたくさん入ってくることで 国産の農産物が売れなくなり、 農業で働く人が少なくなり 国産の農産物がさらに減って ますます輸入農産物が増え 食料自給率が減少していく 悪循環に陥りつつあるのです。 これまでは 日本は世界第二位の工業国で 貿易黒字額も大きかったため 世界中から農産物を買い集めることができました。 しかしながら東日本大震災以降 日本の貿易は赤字になり始めています。 また2012年からはアメリカが干ばつに襲われ オーストラリアもこの10年の間に たびたび干ばつの被害を受けています。 今後、地球温暖化の影響が深刻さを増していくと 言われています。 たとえお金はあっても 食料を売ってもらえない事態も 起こりうるのです。 実際、2010年、干ばつに襲われたロシアでは 穀物の輸出禁止措置が取られました。 (翌年解除) 私たちの食生活に最悪のシナリオをもたらすかもしれない 地球温暖化 実は、食料自給率の低下も温暖化を加速させる要因の 一つになっているのです。 |