世界の貧困と食べ物の話 世界銀行によれば 1日1ドル25セント未満(約126円未満)で暮らしている人たちが この地球上には12億人以上います。 日本の人口の10倍以上の人数です。 世界銀行では 1日1ドル25セント未満で暮らす人たちのことを 貧困層と呼んでいます。 貧困層は、 南アジア、西アジア、中央アフリカの国々に 集中しています。 マップ http://www.worldbank.org/ja/news/feature/2014/01/08…ta-poverty これらの国では、40%以上の人たち (中には80%以上の人たちの国も) が、1日1ドル25セント未満で暮らしています。 それにもかかわらず 世界の穀物価格は上昇を続けています。 (『平成25年度 食料・農業・農村白書』) 原因は、いくつか考えられますが 「食料を必要とする人が増えた」以外に 次のようなことがあげられます。 1)異常気象による被害が増えた 地球温暖化の影響が21世紀に入って目に見えるかたちで 現れ始めました。 毎年のように干ばつや冷害などが起こり 2012~'13年度だけで アメリカ、カナダ、ロシア、ウクライナ、カザフスタン、 ドイツ、スペイン、オーストラリアで 被害が出ています。 (『平成24年度 食料・農業・農村白書』 中には、穀物の輸出を禁止した国もありました。 (ほとんどが後に解除されました) 2)穀物を燃料にも使うようになった ガソリンや軽油は石油を原料とする 限りある資源でした。 また、ガソリンや軽油を車の燃料とすることで たくさんの二酸化炭素(CO2)が排出され 地球温暖化の原因となってきました。 そこで さとうきびやトウモロコシからエタノール(エチルアルコール)をつくり ガソリンにまぜるバイオエタノールや ナタネ、ひまわり、パームヤシ油から軽油をつくる バイオディーゼル燃料が 開発され、実用化されました。 2012年のバイオ燃料の生産量は 2001年に比べて バイオエタノールが約3倍 バイオディーゼルが19倍 にも増えています。 しかしながら これに見合うだけ 原料穀物の生産量が増加したわけではありません。 トウモロコシがバイオエタノールに使われたことから メキシコでは主食トルティーヤが値上がりし 一般の人まで食べられなくなりました(2007年)。 怒った人々が「トルティーヤを食べさせろ」と デモをする事態にまで発展しました。 3)お金儲けに使う人たちがいる 1)と2)の状況から 穀物が値上がりすることを見越して 穀物に投資してお金もうけの手段にする人たちもいます。 そして このような状況のなかで 日本の食料自給率は39%なのです。 |