もともとは佛教用語 「人と土(環境)とは一体であって、切り離せない」 という意味でした。 これが明治時代に食養会の提唱する 「地元の食品を食べると身体に良く、 他の地域の食品を食べると身体に良くない」 という説と出会い 「住んでいる土地の季節の野菜(旬のもの)を 食べるのは身体によい」 という意味で使われるようになりました。 「三里四方(二里四方、四里四方ともいう)」も 同じことで 「住んでいるところを中心に三里四方でとれる 旬の野菜を食べなさい」 ということです。 身土不二は、近年、地産地消の スローガンになっています。 地産地消は、地域生産地域消費の略語で、 地域で生産された野菜や水産物を その地域で消費することです。 1985年のプラザ合意で 1ドル240円が1ドル120円台にまでになり 1990年の牛肉・オレンジの輸入自由化もあって 小麦・そば・タコなど 安い輸入食材が大量に出回るようになりました。 一方、 1990年代から指摘されていた中国野菜の安全性の問題は 冷凍ギョーザへの農薬混入事件(2007-08年)で 誰の目にも明らかになりました。 地産地消は 国内産の安心安全な野菜が見直されるようになったこともあり 地域おこしを進めたい行政の後押しもあって 近年、広まっています。 環境の観点から見れば、地産地消は 食料輸入のために大量に出されている CO2を減らすことにつながります。 同時に 水問題にも貢献します。 輸入大豆1カップ(150g)を育てるためには 375Lの水が必要で、 1kgの牛肉を育てるためには 20,600Lの水が必要だからです。 (牛の場合は植物飼料を育てるための水が含まれています) このように輸入食品をつくるために使われた水は ヴァーチャル・ウォーター(仮想水)と言われています。 環境省などの計算によれば 2005年、日本に輸入されたヴァーチャル・ウォーターは 約800億m3にもなり 国内で1年間に使用される水の量とほぼ同じです。 地産地消は、ヴァーチャル・ウォーターを減らすことにもつながります。 このほかにも ・農家の収入安定につながる ・野菜の鮮度が良く、栄養価が高い ・地域への愛着がわく ・地域経済の活性化につながる ・地域の伝統的食文化の継承につながる といったメリットが指摘されています。 ヴァーチャル・ウォーター http://www.env.go.jp/water/virtual_water/ |