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2014年10月25日(土) 
「ソーシャル・インクルージョンと都市政策」
湯浅誠(法政大学大学院人間社会研究科教授)
10月25日
第39回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナー

この都市政策セミナーは
1977年、OECDが「日本の社会科学は役に立たない」と
批判したことに対する回答として始まり、
現場主義で、解決志向の公開講座として
毎年開かれている。

湯浅誠氏は派遣社員切り捨て越年村村長など
格差社会問題の現場でたたかってきた。
今年から法政大学教授。

活動の原点には障碍者
(筋ジストロフィーに似た筋肉萎縮性難病)の
兄の存在があるという。

養護学校の兄を迎えに行った帰り
車いすを押していると
向こうから来た30代の男に
「じろじろと見られ」たという。

障碍者の兄がもっとも嫌がる体験を
自らもしたことになった。

この「じろじろと見られ」る体験は
ホームレスなど、社会的弱者の日常体験とつながるという。

これまで日本の社会は
国家という傘があり
企業の傘があり
正社員という傘があって
高齢者を含む家族が守られてきた。

この傘がバブル崩壊後すぼめられ続けた結果
母子家庭や非正規雇用など
雨に濡れそぼる人の数が増えてきた。
地方の過疎化の問題も同様という。

これに対する解決手段がソーシャル・インクルージョン
日本語では「社会的包摂」というが
わかりにくいことから
福田(ジュニア)内閣の頃から
「全員参加型社会」として
成長戦略の中で重要課題に位置づけられている。

湯浅教授の提唱する復興支援も
「一人ひとりを大切にした」
認知症の高齢者や
発達障碍児をもつ家庭を
疎外しないもの。

「一人ひとりを個別に対応するのはたいへんだが
あらかじめバリアフリーにしておけば
そのあとのランニングコストは安くなる」
と、湯浅教授は言う。

釧路市の旧社員寮を活かしたコミュニティ施設では
「おんじ(元ホームレスのおじさん)」が管理人。

高校生が貧困家庭の中学生の受験勉強を支援し
合格した子が次の中学生を見る。

子どもだけでは解決できない問題には
「おんじ」が相談にのる。

運営するNPOは廃業した岩盤浴の店を買い取り
シングルマザーの職場としている。
レストランも併設されていて
食い詰めて相談に来た元板前がシェフをしている。

「こういった発想は釧路市だから出てきた」と湯浅氏は言う。
北海道のはずれ
炭坑は閉山
公共事業や企業誘致に失敗。

「ないものねだりをやめ、あるもの探しを始めた」と、湯浅氏。

水俣市で聞いたのとまったく同じ言葉を
釧路市の話で聞いて、少し感動した。

「一人ひとりの能力をいかに引き出すか
そのためのコミュニケーション能力(対人関係構築力)が問われている」
(湯浅誠教授)

閲覧数1,142 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/10/25 14:56
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