彼は“特別〜じゃ・な・い・ 何処にも~い・る・わ”♪ 少年Aだった。
エレベーターに乗ると色々な人と出会う。
ある日自宅のマンションで、エレベーターを待っていた。
ジャージ姿の今時の中学生位の少年がドアを開けて、
「こんばんは」とこちらが挨拶する前に自分から自然に声を掛けてくれた。
そこには、他に女性がもう一人いた。
エレベーターが1階に来て、3人はそれに乗り込んだ。
彼は“開く”のボタンを押してくれていた。
私は自分の階を押した。
すると彼は「何階ですか?」ともう一人の彼女に訊いた。
そして自分の階が来たら、「失礼します」と言って立ち去った。
「お見事!」
私は思わず心の中で叫んだ。
もう少しいや大分若かったら、絶対に恋したに違いなかった。