西陣ファクトリーGardenは、照明家/演出家岩村原太氏が主宰する多目的アトリエ。 元は織物工房だった木造建築を再利用したもので ミニコンサート、演劇、舞踏、朗読会や、これらのリハーサルに使われてきた。 原太さんは、舞踏集団山海塾が海外公演を行う際にはかならず同行する名だたる照明家。 近年は京都市芸術大学で後進の指導にもあたっている。 かく言う私も、20年前に舞台演出のイロハを原太さんに教えていただいた。 その原太さんの西陣ファクトリーGardenがついに千穐楽を迎えるということで、 むちゃを承知で京都まで来ました。 最高気温11℃。寒っ! 開場には主宰の原太さん自ら呼び込みに出てはりました。 若いころと、なんら変わらないお姿。 千穐楽は音楽と舞踏のコラボでした。 出演: 長唄三味線・リコーダー:おかえり姉妹(林まゆみ、宮里ありさ) クラリネット:りこ 舞踏:今貂子、Riko 三味線の「虫の音(ね)」は明治に録音された江戸時代の作品を耳コピ―したもの。 片方の三味線がリフを繰り返す中、もう片方がソロを弾きまくるとか 半拍ずつ交互に同じを音を出してステレオ効果とか 現在、ハードロックのギタリストがやっていることを 日本では明治の初めに三味線でやっていたことに驚く。 リコーダーは、子どもの頃得意だったのでうるさいよ。 音の出し方を研究したほうがよい。 舞踏は、ゆっくりと体を動かす身体表現だが、 その間、ずっと筋肉は張りつめている。 白塗りの肌に浮かぶ筋肉の陰影が 身体の動きとともにうつろいゆくのを楽しむ。 今のパフォーマンスはそのようなものであった。 Rikoは、たぬきに扮して、スピーディーにコミカルな表現をしていた。 クラリネットは、三味線とからんだり 舞踏にからんでフリージャズっぽい演奏をしたりと 一種、飛び道具。 最後は、三味線に合わせて舞踏の二人が榊の葉に浸したお神酒を 観客にふりまき 原太さんの音頭で一本締めして終了した。 終演後、話を聞いたところ Gardenの建物が売りに出されたのが 千穐楽の理由。 居住権・使用権を主張せず、家主が必要としたときには出ていく。 そのかわり家賃を安くする。 というのが、京都西陣で町家を借りるルールになっている。 Gardenの建物と表の家を合わせて1億円。 宝くじ、当たらないかな。 原太さん、スタッフの吉田さん、長いことお疲れさまでした。 |