「地域情報化の認識と設計」(NTT出版 ,2006)をようやく読了。 すべての報告・分析が刺激的であったが、とりわけ国領二郎さんの下記の指摘はコロンブスの卵。 =====以下P146「地域における情報プラットフォーム」から引用========== 情報プラットフォームが地域の文脈で注目に値するのは、地域がネットワーク時代における有力な情報プラットフォーム構築の場になりうるからだ。 この仮説にいたるのは、グローバル性がきわめて高いと思われてきたインターネットが、実は地域と密着したときに大きな力を発揮しうることが見えてきたからだ。(中略) インターネットと地域との相性の良さは不思議な感じもする一方で時代の必然ともいえる。 地域がネット社会の弱みを補って、強みを引き出すからだ すなわち誰でも発信できるインターネットの強みゆえに無秩序さや「ただのり傾向」を引き起こしやすいマイナスを、地域コミュニティがもつ共通の価値観や利益に基盤を置く信頼関係が抑止し、情報開示、参加、互助などの力をフルに発揮する土壌を提供してくれるからだ。(中略) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「停滞した地域を活性化するために、ICTがどのように活用できるか」という、おなじみの問いの建て方でなく、 「インターネットの可能性=強み=をより引き出すのは、地域コミュニティがもつ信頼関係」というのが新鮮な視点だった。 「ネットにとって」必要な存在なのかー、リアルなコミュニケーションを紡ぐ場というものが。 この本の事例をみていると、まだまだいろんなことができるのだなぁと励まされ、頑張らねばなーと思う。 |