「道路は誰のものか」 警察庁が「自転車は、歩道ではなく、車道を走りなさい」 という指針を10月25日に打ち出したことが波紋を呼んでいます。 「自転車は歩道を走るものじゃないの?」 という声が聞こえてきそうですが これは道路交通法第六十三条の四に定める特例であって もともとは車道を走るものなんです。 マイカーがあたりまえになった1980年代 自転車と自動車との接触事故を防ぐ観点から 一部の歩道に限って自転車が走ることが容認されたのですが 何をどう勘違いしたのか 一般には「自転車は歩道を走るもの」と 認識されてしまいました。 (ママチャリは、この容認により 歩道を走る自転車として開発されたものです) 京都府警のパトカーなどは、 京都御所の北側を東西に走る今出川通(幹線道)の 車道を走る自転車を見つけると 「そこの自転車、歩道を走りなさい!」と マイクで警告するのです。 (わたしもかつてやられました) しかし、今出川通の歩道は幅が1mほどしかなく 歩行者が歩いていると 自転車と接触しかねず かなり危ないのです。 今回、警察庁が「自転車は車道」を打ち出したのも 自転車と歩行者との接触事故が増え 死亡者まで出ているからです。 ところが、今回の方針転換については 「車道を走ると、違法駐車をよけるために 道の中央に出ることになって かえって危険」 という声が出ています。 だから「歩道を走らせろ」では なんのこっちゃわかりません。 自動車優先の道路の使い方を改め 自転車専用レーンを確保し 違法駐車をなくし (すでにたくさんの取り締まる人たちが配備されてます) 自動車の速度を制限する 渋滞が増えても それは車から自転車・公共交通への転換のきっかけとし ドライバーのクレームに応じない そのくらいの気概をもって 取り組んでもらいたいものです。 ドイツ自転車の環境首都ミュンスター市 中心街の自転車道は 日本と同じように歩道の一部を色分けして つくられています。 異なるのは、その使い方 自転車レーンを歩く歩行者はいませんし 歩道を走る自転車もいません。 つい日本と同じ感覚で自転車レーンを歩くと 「危ないからどけ!」と 自転車の人に怒られます。 地元警察は 自転車のトラブルを防ぐための 自転車パトロール隊を配備しています。 交差点には自転車専用の信号があり 自動車よりも先に青になって スタートダッシュに時間がかかるのを フォローしてくれます。 今回の警察庁の方針転換も 法令だけでなく 道路の使い方まで含めて 見直してもらいたいものです。 |